文春新書
「秘めごと」礼賛

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604890
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

内容説明

「清く、正しく」がはたしてオトナの姿なのか?否、荷風や谷崎、乱歩たちのごとく、世間の良識なるものに背を向けた生き方にこそ学ぶべき真実がある!ニッポン男児必読。

目次

なぜいま「秘めごと」礼賛なのか
奇っ怪なり「大谷崎」
永井荷風の「お忍び」願望
「うつし世はゆめよるの夢こそまこと」の人
一人の人間の中の大人と子供の二重性
「秘めごと」と「お忍び」の達人が潜み隠れた二十八年
人目をくらます異体の表記が日記文学の傑作を生み出した
「ふさ子さん!ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか」
「墓場に近き老いらくの恋は、怖るる何ものもなし」
あからさまな「秘めごと」(?)老境の色情のしたたかさ
「物食う女」が「物書く女」に変態するとき
目を見はらされる女性の性愛謳歌と誇り高き、その「秘めごと」ぶり
初老となってなお年上の女性との性愛に向かう力

著者等紹介

坂崎重盛[サカザキシゲモリ]
1942年、東京生まれ。エッセイスト。千葉大学造園学科卒業後、横浜市計画局で造園家として公園設計などを行なう。その後、編集者、ライターに転身。多彩なジャンルでの執筆活動を展開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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つちのこ

43
谷崎潤一郎、永井荷風、石川啄木といった文豪たちの作品から見えてくる、赤裸々な秘め事を取り上げて論じている。中でも滑稽なのが、斎藤茂吉と弟子のふさ子との関係。茂吉の死後、ふさ子により公開された書簡は、本能に任せて、ふさ子の肉体と美貌に執着し耽溺するむき出しの感情を綴っており、厳粛な医者、歌人の面目も丸つぶれだ。反して、内に秘めた恋情を見事に隠し通した向田邦子の清廉さ。没後に多くの関連書籍が刊行されているが、死してなおその魅力は増すばかりである。出羽亀感情で手にした本書だが、いたって真面目に楽しませて貰った。2024/08/31

佐島楓

34
文人、歌人たちの「秘め事」を暴いたもの。つまり道ならぬ恋がメイン。男性目線で書かれているので、こういうことは抑制がきかぬものなのか・・・と密かな驚きを持って読んだ。抑制が効くうちは本気の恋ではないのかもしれないが、それにしても・・・。2015/05/30

オールド・ボリシェビク

4
2006年の刊行。文豪たちの「秘めごと」、すなわち、色恋沙汰を紹介していく。谷崎潤一郎、永井荷風ら日本文学史に登場する「大物」たちがいかに「秘めごと」に魅せられていたかがよくわかります。「ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか」。死後に明かされた斎藤茂吉が女弟子に送った手紙の生々しさには息を飲む。「秘めごと」の形態はさまざまだ。著者が記すようにそれあは「香り立つようなものでありたい」とは思うが、もう、そんな年齢ではない自らを思う。恋は遠い日の花火であるわが身にとっては。2024/09/24

石橋

0
著者も書いているが、そもそも秘め事を文書化出版するということはそのの対極だろう。でもまあそれが知りたいから読むわけだけど。 文豪たるもの、秘め事の一つや二つないとね。闇のない人間には魅力がない。2014/10/08

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