文春新書
回想 回転扉の三島由紀夫

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  • サイズ 新書判/ページ数 172p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604777
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

十代で三島を知り、「切腹趣味」を共有した二人は、やがて問題の映画『憂国』を作る。天才的かつ官能的な作家像を伝える鎮魂の書。

内容説明

十代で三島由紀夫を知り、歌舞伎、能、そして「切腹趣味」を共有し、やがては映画『憂国』を演出する。没後三十五年たっても色褪せぬ天才三島由紀夫への甘美なる鎮魂の書。

目次

第1章 八歳違いの「兄貴」
第2章 「切腹ごっこ」
第3章 『愛の処刑』
第4章 三島と演劇
第5章 桐の函に入った小説『憂国』
第6章 映画『憂国』
第7章 「幸福な一生」

著者等紹介

堂本正樹[ドウモトマサキ]
劇作家、演出家。昭和8年(1933年)横浜生まれ。慶応大学国文科中退。早くから演劇にかかわり、三島由紀夫らと「浪曼劇場」創立に参加。おもな著書に『能・狂言の芸』(観世寿夫賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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harass

17
著者は三島が有名になる前から付き合いがあった劇作家なのだそうだ。精神的な「兄弟」だったのだという。切腹マニア同士として同好の士だったらしい。映画「憂国」の演出を任されて、この映画製作の流れなどが書かれてる。文章のところどころで著者の同性愛嗜好を匂わせる所があって妖しさ満点。『午後の曳航』のカットされたラストや三島が同性愛雑誌に匿名で投稿した短編『愛の処刑』のことなど興味深い話もある。著者の主観というか愛というかかなり強く、その毛がある人で、いろいろ面白い本だった。2014/03/07

koishikawa85

3
同性愛者、演劇の側面から見た三島由紀夫。ちょっと気持ち悪いところもあるのだが、こういうのも三島の一つの側面なのだろう。徳岡さんの五衰の人とか、石原慎太郎の三島由紀夫の日蝕では見られないのでそれなりに面白かった。演劇に関する話はちんぷんかんぷんだが。2022/01/15

はるち

2
三島との関係についての回顧録である。作品を書く上で実はどのようなことを考えていたか、三島が著者にこっそり教えた話も容赦無く露わにされている。色々な作品に触れられているが特に著者が演出を務め、三島が制作・監督・脚本・主演の四役を務めた「憂国」の映画についてが詳しい。二人の「兄弟」関係の行きつく先に、二人で作った「憂国」の映画があるのだろうかと感じた。2014/06/26

南註亭

2
出版されたのは2005(平成17)年11月だが、発表されたのは2000(平成12)年10月。劇作家・演出家である筆者の回想録だが、プライベートな記述が多く、文体もかなりの湿度と温度がある。『午後の曳航』や映画「憂国」に関するエピソードや、『愛の処刑』の裏話は興味深いが、基本的には出し遅れたラブレターということだろう。ラブレターを読む趣味がある向きにはいいかもしれないが、私にはそういう趣味はない。カテゴリはいちおう「三島由紀夫関連」に入れたが率直に言えば「読まなくてもいい本」である。2011/04/03

伊崎武正

1
三島の弟的存在の少年であった著者が戯曲を書いたり演出をしたり、三島の同時代を生きながらビッグになっていく自伝とも評伝ともつかない本。三島伝はいくつか読んだことがある気がしたが、著者のような関係性にある人間が書いたものを読むのは初めてだったので新鮮だったし、単純におもしろかった。2020/04/03

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