内容説明
落語レコードの名プロデューサーは神田明神のそばに生まれ、寄席通いに明れ暮れた。記憶に残る名人たちの高座姿から楽屋で垣間見た素顔まで、共に歩んだ落語の半世紀を語る。
目次
1 回想の落語全盛期(黒門町―桂文楽の家;神田の寄席・立花;身近な歴史・五代目柳亭左楽 ほか)
2 名人芸を残す(『おはなはん』と落語家;黒門町の消灯;落語レコードの模索 ほか)
3 さまざまな落語を求めて(志ん朝がいる;志ん朝にその気はない;レコードはまだまだ ほか)
著者等紹介
京須偕充[キョウストモミツ]
1942年東京・神田生まれ。慶應義塾大学卒業。ソニー・ミュージック(旧称CBS・ソニー)プロデューサーとして、レコード、CDの録音制作を行う。六代目三遊亭圓生の『圓生百席』をはじめ、古今亭志ん朝、柳家小三治、桂文珍の集大成録音など総制作タイトルは250に達し、朝日名人会などの落語公演もプロデュースする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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kinupon
58
それぞれの名人とのつながりの中で、落語の裏話が面白いですね。それにしても桂歌丸師匠が亡くなりました。笑点の司会者ではない、本格派の古典を話す落語家としての師匠を聞いてみてください。ここに書かれている名人といわれる人にも引けを取りません。2018/07/06
ネギっ子gen
30
【哀悼】小三治師匠は、今頃、“極楽亭寄席~名人・夢の勢揃い”に、新入り出演とか? 談志に「手前ぇなンざ、前座で十分でぃ!」と嫌味言われ苦笑いしながら――。この師匠は「まくらの小三治」ですから、『ま・く・ら』(講談社文庫)を探すも、これがもぅーない! 断捨離ったりはしてない筈だが……。ってぇことで、発掘した本書の方をパラパラと読みました――。<どこで何をやっても、売り物の「小言念仏」や「金明竹」のような小品でも、柳家小三治は印象的な個性の空間を創り出す>。その通りですなぁ。「小言念仏」絶品でした……。合掌。2021/10/11
roku7777
2
古き良き時代を見る本なれどここにあるのは「ノスタルジー」。まあノスタルジーにひたりきるのも悪くないだろう。僕は子供の時分、桂文楽の明烏に熱狂したが今考えると変なこどもだと思うよ。2019/11/25
時次郎
2
TV番組の「落語研究会」の解説をされている京須氏の本。神田生まれの人は、江戸落語の世界感に近いところで育ったのだな〜と羨ましく感じた。地方生まれでは、中々出来ないような経験もあります。 本の前半は、時代が行ったり来たりして少しまとまりに欠けましたが、後半になるにつれ、著者の落語への愛情を感じられた。 現在は、落語ブームであると書いてあったが、そうなんだろうか?落語という芸能の幅が広がって、「落語のようなもの」がブームになっている気がする。上下も切れない人が、真打になれる時代ですからね〜。2013/07/23
みんさね
2
TBS落語研究会 での的確(すぎる)な解説の裏付けはこれだったのね。芸人、その芸にのめり込まず、一歩引いて鑑賞する。見方としては正しい。2012/01/22
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