内容説明
古くから文学作品などの著者をめぐる謎は尽きないが、文章の数量的な分析から著者を割り出すことに画期的な成果を上げているのが、近年の計量文献学である。『新約聖書』のパウロの書簡は本当にパウロが書いたのか。シェークスピアの正体は?『源氏物語』の「宇治十帖」の作者は紫式部ではなかった?プラトンの書簡や『紅楼夢』、『静かなドン』をめぐる疑惑、川端康成の文体の変化、パトリシア・ハースト誘拐事件から「かい人21面相」に至るまで、本書は「文章の指紋」を検証する計量分析の手法で様々な謎をあばく。
目次
1 かい人21面相の脅迫状と文体分析
2 筆跡鑑定にかわる「文章の指紋」
3 文学作品と哲学書の著者を推定する
4 聖書と宗教書の著者を推定する
5 政治や犯罪の文献をめぐって
6 日本古典の謎をめぐって
7 文体の変化とこころの変化
8 日本語の計量分析の課題と限界
著者等紹介
村上征勝[ムラカミマサカツ]
1945年、中国・南京生まれ。68年、北海道大学工学部卒業。73年、スタンフォード大学大学院統計学科修士課程修了。74年、北海道大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学。スタンフォード大学客員研究員、統計数理研究所教授、総合研究大学院大学教授などを経て、2004年より同志社大学教授。統計数理研究所名誉教授。工学博士。専門は人文社会領域のデータ解析
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