内容説明
アマテラスは聖母マリアと同じ性質を持っているか?前身は巫女だったとされているが、それは正しいのか―『古事記』『日本書紀』に登場する日本神話に欠かせない存在である女神には謎も多い。「母元型」「父との結びつき」「英雄を助ける」「自己犠牲」といったキーワードから女神像を分析すると、そこには思わぬ姿が現れた。ユング心理学の泰斗だからこそ書ける「新しい日本神話」、好評を博した『日本神話の英雄たち』につづく第二弾。
目次
第1話 アマテラス(アマテラスの多面的な性格;アマテラスの原初的性格 ほか)
第2話 母元型を表わす女神(母元型の二面性;二面的母元型の具体例 ほか)
第3話 父との結びつきの強い女神たち(トヨタマビメの父とのつながり;スセリビメの父との関係 ほか)
第4話 英雄を助ける女神たち(自立を助ける母性的アニマ―ヤマトヒメ;自立を促す母―サシクニワカヒメ ほか)
第5話 自己犠牲の女神たち(犠牲の心理学的意味;小児供犠 ほか)
著者等紹介
林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年、長野県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。現在東京女子大学文理学部教授。日本ユング研究会会長
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感想・レビュー
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K K
4
本当に深くて面白い。 天照大神、日本神話をユングの心理学の視点から読み解くと言う斬新さ。肉体的、精神的な女性性と肉体的、精神的な男性性のバランスを取ると言うのが面白い。自分の中でもバランスを取っていきたいと思った。 お神酒を飲むと言うのは、キリストのミサと同じく神さまを皆で食べると言う共通点はマユツバ。 深すぎて何度か再読しないと真に理解できないかも。2018/07/26
憂霞
0
前著を読んでいないので曖昧な部分も多かったのですが。いろんな国の神話と日本神話の共通点と相違点の比較とか、なかなか興味深いご本でした。前著も読んでみないと。2015/07/12
ゆきうさぎ
0
専門用語も多いけど、かなり面白かった。神々の行動は心理学的に何を表しているのか、荒唐無稽な話は何の象徴なのか。ユングや社会人類学と絡めたり、エジプト・ギリシャ神話と比較したり、目からウロコな部分も多かった。おすすめ。2013/09/02
syun84
0
神話の里に行くということで読んでみた。ユング的な視点から神話を読み解いて行く話で、日本神話の女神の多面性が見えてくる。どっちかというと神話を楽しむというより、神話にはこんな読み解き方があるんだなというのを知れた事に価値があるかなという感じ。特に心理学をかじっていなくてもわかりやすくて読みやすかった。2013/02/08