内容説明
新選組は治安警察部隊であり暗殺集団である。敵である尊攘派のみならず、多くの仲間さえも無残な死に追いやった。にもかかわらず、その人気は老若男女すべての間で高い。隊士たちの墓の周りには若い女性ファンの「ラブレター」さえ積まれている。かれらのどこが人々を引きつけるのか。幕末を書いて当代最高の歴史小説家が京都、多摩、会津、函館などの新選組の足跡を訪ね歩き、その魅力の秘密に迫った。ガイドブックとしても活用できる傑作歴史読みもの。
目次
第1章 壬生浪士たち―江戸から京都へ
第2章 新選組の全盛期―京都・大阪
第3章 新選組の混迷期―京都
第4章 伊東甲子太郎の分離独立―京都・伏見
第5章 敗走そして瓦解―伏見・江戸・流山などへ
第6章 再起する土方歳三―宇都宮から会津へ
第7章 箱館新選組の戦い―函館・松前・宮古湾
第8章 夢の跡
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県生まれ。東北大学文学部卒業、出版社勤務後、文筆活動に専念。87年、『明治新選組』で第十回エンタテインメント小説大賞、94年、『二つの山河』で第百十一回直木賞受賞
神長文夫[カミナガフミオ]
1949年、栃木県生まれ。アートディレクターとして『歴史街道』などの制作にたずさわりながら、新選組ゆかりの地の写真を撮り続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
29
幕末を震撼させた新選組。その足跡を追うのに適している。文も平易であり、客観的な視点で述べられているので、変な先入観も無く読める。★★★★☆2025/03/23
灰猫
2
自分の中での第三次幕末ブームに乗っかって昔買った物をまとめて読んだ中の1冊です。他の作品で得た知識が、作者(主に子母澤寛、たまに司馬さん)の創作だと指摘する箇所がいくつかあるのですが、その辺は流せば良いやんと思いつつ、元編集者だという著者の矜持を読みとった気がします。2014/12/21
すい
2
新選組に関わる地の紀行文。きちんと資料による解説を含めながら、写真も交えた手軽に読める一冊。 観光地を訪れる人に対してのコメントが、訪れる人のマナーというか客層を垣間見るようで思わず笑ってしまう。 時折、これって断定されていることだったか?と思われる部分もあるのだが、私がまだ知らないだけのことかもしれない。2011/12/08
ギルヲ
1
新撰組の軌跡を辿る紀行文。写真がアートしすぎという気もしますが、旅行ガイドとしてもなかなか良いのでは。創作を指摘される子母澤寛の小説は未読のものが多いし、えらく面白そうなので、そちらを読みたくなりました。2017/10/27
hr
1
組織の瓦解は内部からですね。2009/10/05