内容説明
証券化とは保有する資産を裏付けにした証券を発行して投資家から資金を集めること。デフレ経済で金融全体が縮小する中でも急成長を続けて注目されている。銀行借入や社債発行とは違う新しい資金調達法で、投資家には金融商品としての利回りの高さが魅力となる。三十年前に始まったアメリカでは巨大な流通市場が形成され、ロックフェラーセンターが証券化されて個人が一口10万円で買えた時もあったというが、日本では80年代後半にスタートし、住宅ローンや不動産を中心に急成長を遂げている。本書ではそのしくみや現状を分かりやすく紹介する。
目次
プロローグ 証券化は面白い
1 ここまで身近になった証券化
2 そもそも証券化とは何なのか
3 誰がどうやって活用しているのか
4 個人投資家はどうすれば買えるのか
5 拡大が続く証券化商品市場
6 証券化に必要な金融知識
エピローグ 証券化はどこまで発展するか
著者等紹介
井出保夫[イデヤスオ]
1962年、東京都生まれ。不動産金融アナリスト。1985年早稲田大学商学部卒業後、秀和、オリックス、シンクタンク等を経て、井出不動産金融研究所設立。全国の不動産金融プレーヤー向けコンサルティングに活躍し、証券化スクールを開校している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
リーマンショック以前に書かれているので、リスクの観点がやや甘いような気がします。確かに証券化という手段はいまではなくてはならないツールになっているという気がします。そこのところをうまく歴史などから説き起こし説明してくれます。証券化に必要な金融知識が私には頭の整理ということで参考になりました。2015/11/05
さきん
27
証券化とわざわざタイトルにするところは、何でもお金で測れる価値に物事を置き換える大きな潮流がある。書かれたのは2000年代初頭でバブル崩壊後の経済成長の発露を求めて、命名権や住宅ローン、ゲームソフトの買収履歴、スポンサー料などすぐに売買できないと思われるものでも、価値を分割し、有価証券化して売買できるようにしている。2021/11/18
Naota_t
2
プーリングについて詳しく書いてないのは、2003年の本でサブプライムが問題になる前だからメリットのことばかり書いてある。 確かにメリットは多いけれど、プーリングが日本でなかなか定着しないのは国民性というか、責任の所在が訳分からんのが堪えるんだろうね。2012/01/24
Saori
1
サブプライムローン以前に書かれた本だから、結構楽観的に書いてあるけど、本当は恐ろしいんだよね。2009/06/12