内容説明
日本産業の空洞化もデフレもすべて中国経済の驚異的な成長のせいだという、強迫観念にも似た思い込みがある。たしかに中国には低賃金で働く若くて優秀な労働者が大量に存在するし、最近では欧米や日本へ留学したエリートたちが盛んにベンチャー企業を起こしている。そのパワーを軽視することは出来ない。しかし、中国には中国特有の弱点があり、それが重要な産業で日本など先進諸国に追いつけない原因である。日中両国経済がそろって発展する道筋は。
目次
第1章 生産移転
第2章 中国電機産業はなぜ発展する?
第3章 ベンチャー企業群
第4章 自動車産業の壁
第5章 機械、鉄鋼、化学産業の実力
第6章 労働力と政治的要因
第7章 日本企業の強さ
著者等紹介
森谷正規[モリタニマサノリ]
1935年、旧朝鮮生まれ。東京大学工学部卒業。日立造船、野村総合研究所、東京大学先端科学技術研究センター(客員教授)などを経て、放送大学教授。専攻は現代技術論。著書に『日本・中国・韓国産業技術比較』(東洋経済新報社。大平正芳記念賞受賞)など
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