内容説明
秀吉はなぜ閨閥づくりに失敗して敗れ、家康は勝ったのか。また、加賀の前田家は、どこと姻戚関係を結ぶことによって、百万石を維持することができたのか。天皇家を頂点として、公家・大名家・財閥のあいだに複雑にはりめぐらされた血のネットワーク・閨閥―日本史をいまにいたるまで裏から動かしてきた不思議な力の源泉をさぐる。
目次
豊臣家 秀吉、閨閥に敗れたり
岩崎家・後藤家 元祖は海援隊、三菱の誕生
江藤家 叛乱児・江藤新平の異色の末裔
陸奥家・古河家 友情と約束がつくった閨閥
土方家・加藤家・西園寺家 「赤い伯爵」と大名家
越前松平家 ご乱行・松平忠直卿の孫娘がなぜ天皇家に?
細川家 平成に花ひらいた細川五十四万石
大谷家 蓮如、そして真宗王国の系譜
島津家 先祖を源頼朝とする南国の王者
前田家 加賀百万石、かくて三百年
近衛家 昭和史の主役・名門首相逝く
徳川家 天下を制した家康の女系
財閥家、松下家の閨閥地図
著者等紹介
中嶋繁雄[ナカジマシゲオ]
昭和4年福井市生まれ。福井保護観察所(法務省)につとめたあと、福井新聞記者、『歴史読本』編集長をへて歴史ノンフィクション執筆
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感想・レビュー
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キムチ
21
ちっぽけ(GNPを誇ったりするけど)島国の独りよがり・・みたいな事実を殆ど無感情に淡々と綴る 一味違う切り口の歴史もの。刃物を使いつつも、地下水脈で頭を捻っていたんか・・とある意味の感慨。完璧、圏外に生息するモノのごまの歯ぎしりと云えなくもないけれど。皇室が凄いのは当然だが、そこへ連なる家来を奇数限定し、更に明治時代の西園寺が決めた公候伯子男。人が決めた骨組に、人が振り回され(特に女!)人が好んでしがみつく。そこへ己の人生を組み込ませ、血脈だけでなく義理(養子など)で形作って行く・・ふ~んという感想。2014/12/17
Tomoichi
15
久しぶりにつまらない本。系図も見辛い。文章もよくない。2025/08/31
Naota_t
4
#2306/★3.1/「閨閥」とは、妻の実家やその親類の勢力を中心に結んだ人々(の繋がり)を指す。本書では、歴史上重要な要職にあった人物の閨閥に関する話が10以上紹介されている。それらが時代順になっていないため、ややこしかった。また、閨閥と関係が薄い内容が9割を占める印象。歴史的な事実の羅列も多くいため、「読者に何を伝えたいんだ?」と終始疑問だった。ただ、過去は男子が生まれれば跡を継ぎ、女子が生まれれば嫁に出して、姻戚関係の強化を図る。それでみんなハッピーだったら良いけど、生きづらい世の中だなと思った。2025/11/10
にゃん吉
4
閨閥から日本史を見直すという趣旨で、時代順ではなくランダムに、歴史上に現れた名家の系譜が叙述されています。武家、貴族に、近代以降は、華族、政治家に実業家と、それなりに広く、色々な家が取り上げられていて、さっと読める読み物という体裁で、面白く読めました。貴族→武家→藩閥政治家や実業家と権勢が移り変われば変わったなりに、閨閥があるというのは、興味深くありました。 2021/04/18
玉野ゆうき
2
越前騒動の松平忠直が洗礼していたらしいと云う話など、1つ1つの話は面白かったです。が、”閥”に成って無い(単なる姻戚関係な)話が多い。書籍タイトルで期待したモノは得られなかった。 2017/04/05




