内容説明
「革命と戦争の世紀」といわれる二十世紀は、また「言語の世紀」でもあった。近代国家が誕生し機能するためには、コミュニケーションによる国民の統一、国民語の完成が不可欠だったからだ。われわれの「国語」はかなり強引な形で成立せざるをえなかった…。長い歴史を背負う一方、国家の要請、大衆化の波にさらされてきた近代日本語の運命を、広く文明論の立場から論じあい、国語教育について具体的な改新案を提示する。
目次
第1章 言語の時代としての二十世紀(二十世紀は「言語の世紀」;スターリンが書いた言語論;言語表現の二面性 ほか)
第2章 現代日本人の日本語への関心(標準語の成立;書き言葉しかなかった共通語;地方語で ほか)
第3章 日本語教育への提案(母親の口からやまと言葉が消えていく;国語学と日本語学;川端康成も使った「見れる」 ほか)
著者等紹介
丸谷才一[マルヤサイイチ]
作家、評論家。1925(大正14)年、山形県鶴岡市生まれ。50年、東京大学英文科卒業。『笹まくら』(河出文化賞)『年の残り』(芥川賞)『たった一人の反乱』(谷崎賞)『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)『横しぐれ』(インデペンデント外国小説賞)『樹影譚』(川端賞)など。「多ジャンルにわたる知的にして旺盛な文筆活動」に対し2001年、菊池寛賞
山崎正和[ヤマザキマサカズ]
劇作家、評論家。1934(昭和9)年、京都に生まれ、少年時代を満州で過ごす。52年、京都大学哲学科に入学、61年、同大学博士課程を修了。関西大学、大阪大学教授を経て、東亜大学学長。『山崎正和著作集一~十二』『世阿弥』(岸田戯曲集)『鴎外 闘う家長』(読売文学賞)『実朝出帆』(芸術祭賞優秀賞)『病みあがりのアメリカ』(毎日出版文化賞)『柔らかい個人主義の誕生』(吉野作造賞)『オイディプス昇天』(読売文学賞)など。93年、大阪文化賞、99年、紫綬褒章
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