内容説明
若き日のアマゾンのイカダ下りから、五大陸最高峰の世界初登頂、北極圏一万二千キロの単独犬橇旅、北極点・グリーンランド単独行など、強烈な印象を今なお残している世紀の冒険家は、何を考えていたのか。ここに夫人の許可を得て、世界各地から夫人に書き送られた書簡を公刊する。「元気でいるかい」と、あまり身体の強くない妻を気遣いながらも、その一方で孤独な冒険のいらだちをぶつける。これは厳冬のマッキンリーに消えた男の内面の記録である。
目次
1 結婚という目標(ヒマラヤからの手紙;スイスからの手紙)
2 北極点をめざして(グリーンランド、カナダからの手紙;極北の越夏地からの手紙;カナダ、アラスカからの手紙)
3 見果てぬ夢(シアトルからの手紙;エベレストからの手紙;南極からの手紙;ミネソタからの最後の手紙)
夢中で暮らした十年間(植村公子)
著者等紹介
植村直己[ウエムラナオミ]
1941年、兵庫県日高町生まれ。64年、明治大学卒。70年、日本人初のエベレスト登頂、マッキンリー単独登頂で世界初の五大陸最高峰登頂者となる。74年、野崎公子と結婚。同年、北極圏一万二千キロの犬橇旅へ出発、76年、目的地アラスカ到着。78年、単独犬橇で北極点到達、さらにグリーンランド縦断。84年2月、世界初のマッキンリー冬期単独登頂後、消息を断つ。同年4月、国民栄誉賞受賞
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感想・レビュー
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金城 雅大(きんじょう まさひろ)
30
妻への熱烈な愛の形を見た。 また、妻はもちろん、自分を助けてくれる周りの他者や妻の周りの協力者にいつも感謝の念を絶やさなかったのがとても印象的だった。2020/01/05
アルプスの空♪
16
これぞ恋文♪・・・植村さんの何事にも一途に進む姿勢が微笑ましく・・・マイナス30・40℃にある極寒の地からの手紙がほとんどですが、何の何の熱い熱い・・・冒険の様子が手に取るように書いてあります・・面白い!!!!(^_^)v2011/04/14
夜郎自大
9
まず感じるのは、一方的な愛情の押し付け。妻→夫が記載されて無いので実際はわからないのだが。極地孤独な環境で考えられることと言ったら食事と奥さんの事だけだったのかもしれないが、受取手からすると一方的な愛情であって、その圧力に当時はストレスも感じたのかも知れない。奥さんの手紙も読んでみたくなる。愛の表現方法として一般的外観で社会に評価されるのはこういった熱量も豊富さであって配慮や思慮深さではない。直前に読んだシャクルトン氏よりも冒険準備が下手であったように見える。犬についても植村直己さんの方が結構いい加減。2020/02/20
まさげ
5
妻への愛情、隊長のしての苦悩、読んでいるうちに切なくなってきました。2017/07/16
Naota_t
4
★3.1/国民栄誉賞を受賞した冒険家の植村直己が奥さんに送った手紙を本にしただけ。編集もほぼなく、誤字脱字だらけ、改行もないからとても読みづらい。メールもない1970−80年代、よく移動中のアラスカから日本と手紙のやり取りができたと感心。また、犬橇でアラスカに到達する際、どんどんワンちゃんが死んでは買い足すのが可哀想だった。自分の欲望で犬の命を犠牲にしないでほしい。−−「今の俺はお前を思わずにいられない人間になってしまった。お前の体はお前のものではない、俺の体なのだ。人事ではない、大事にしてくれ。」p502022/10/05
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