文春新書
文楽の女たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602285
  • NDC分類 777.1
  • Cコード C0273

内容説明

個性的な女主人公が登場する十二の文楽をとりあげ、物語をたどり、見所や背景を解説します。現在では名場面のみの上演が多くなってしまいましたが、全体を読むと、人物の性格の奥深さや、複雑な設定が改めて見えてきます。身分やお金や義理に縛られ、自由に生きることができなかった女たちの、時代を越えて涙をさそう命がけの恋の話を、大阪ことばを混じえた著者独特の語り口でお楽しみ下さい。

目次

『曽根崎心中』のお初
『五十年忌歌念仏』のお夏
『心中重井筒』のお辰
『冥土の飛脚』の梅川
『八百屋お七恋緋桜』のお七
『大経師昔暦』のおさん
『心中天の網島』のおさん
『仮名手本忠臣蔵』のお軽
『艶容女舞衣』のお園
『新版歌祭文』のお光
『壷坂観音霊験記』のお里
『夫婦善哉』の蝶子

著者等紹介

大谷晃一[オオタニコウイチ]
1923年大阪生まれ。関西学院大学法文学部卒業。朝日新聞大阪本社編集委員、帝塚山学院大学学長をへて現在、同大学名誉教授。71年『続 関西名作の風土』(創元社)で日本エッセイスト・クラブ賞を、89年伝記文学の業績により大阪芸術賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

碧月

6
勉強用。曽根崎心中などなんとなく知っているようで、よくは知らない作品のあらすじを紹介している。女性の出てくる作品を集めているので、それぞれの相違点がわかって面白い。また文楽は耳で聞くものなので、ことばのリズムが美しい。「此の世のなごり。夜もなごり。死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜…」「恋の手本となりにけり」2013/09/29

とみしん tomisin555

2
古本市で見つけて購入。いい本だった。著者はかなり以前に「大阪学」が話題になった大学の先生。ここでは文楽の主演女優を年代順に12人。僕はこの中で8人大阪の本公演で観てる。常々文楽の登場人物は女の方が生き生きと描かれていて、男はなんかたよんない番頭手代若旦那というのが多い印象。特に「心中天の網島」のおさんと「新版歌祭文」のお光がいいな。そして全編名セリフの切り出し、見せ方がとても鮮やかでついつい語ってしまうよ。今僕らが普通に歩いてる大阪の街中でおこった事件に材をとった物語。江戸~明治の大阪が浮かび上がる。2022/10/17

とくべい

0
曽根崎心中や心中天網島など、文楽の代表的作品のヒロイン12人を取り上げた、文楽入門書的な色彩の強い本。文楽の舞台の美しさ、大夫、三味線、人形遣いの息の合った表現力にいつも感動する私だが、気丈で美しい女性と比べ男の主人公の方は「魂の抜けた」ようなだらしない男たちばかりなのにいつもイラついてしまう。著者が「文楽の男」ではなく、女性たちをメインに取り上げたのは納得できる。 「夫婦善哉」は男女の役割で言うと文楽の近代版だとは思っていたが、文楽でも舞台化されていたことをこの本で初めて知った。再演にぜひ期待したい。2014/02/13

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