内容説明
梁塵秘抄と中世の絵巻に共通して登場する風景を見つけ出し、比較しながら、中世の人びとの生活と心情をたどる。また今様の謡い手と聴き手、謡われた場にも注目し、背景の社会構造を考察する。舟に乗る遊女の後生への祈り、山奥で修行をする聖の神秘的な姿、裕福な受領や武士の館のにぎわいから、信仰を集めた寺社の霊験記、洛中の庶民の祭りなどが繰り広げられる。いざ、中世への旅へ―。
目次
1 淡路の歌と遊女
2 『法然上人絵伝』から
3 修業の歌と聖
4 『西行物語絵巻』から
5 若宮の歌と巫女
6 『春日権現験記絵』から
7 京の歌と京童・京女
8 『年中行事絵巻』から
9 笑いの歌と中世人
10 『石山寺縁起絵巻』から
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学文学部教授。日本中世史専攻。絵画や文学など様々な史料から中世を見直す研究で知られる
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