内容説明
20世紀に投函され、16年間眠っていた328万通の手紙が、21世紀が始まるまさにその日に届けられたとき、静かな感動はやがて日本中にひろがってゆきました。亡くなった息子が4歳のときに書いた元気いっぱいの葉書。16年前に落とした涙がそのまま残る手紙―親を思い、子を思う人々のこころは、時空をこえて、愛する人のもとに届きました。この手紙の中から聴こえてくる声は、私たち日本人に、明日を生きる希望と勇気を与えてくれます。
目次
第1部 20世紀の私から21世紀のあなたへ(22歳のあなたに;真愛は今0歳です;お母さんが生命をかけて生んだのが、悦ちゃん、あなたです ほか)
第2部 16年の時をこえて(最後のプレゼント;古いアルバムのなかの私;夢とともに生きた娘に ほか)
第3部 ポストカプセル328万通のはるかな旅(2001年1月1日;人生の分かれ道に立って;昨日と明日のあいだで)
著者等紹介
千葉望[チバノゾミ]
1957年、岩手県生まれ。1980年、早稲田大学第一文学部卒。(株)リクルート勤務を経て独立。各誌に人物インタビューやルポルタージュ、書評などを執筆。経営、文芸、クラシック音楽、伝統工芸や伝統芸能などさまざまな分野から“光る人物”をすくいあげる仕事を続ける
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感想・レビュー
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4fdo4
7
16年前に書いた 我が子の手紙が突然届いたら。 優しかった祖父の手紙が届いたら。 母が病の息子の身を案じ震える手で書いた手紙が届いたら。 1985年につくば万博で行われた、ポストカプセル郵便の話。 投函された328万通は16年後の2001年に眠りから覚めた。 16歳で亡くなった青年の母は我が子が4歳の時に投函した 「ぼくわおおきくなったらきゅうきゅうしゃのうんてんしゅに なりたいのです」 とハガキに元気に大きくはみだしそうな字を見て号泣する。 そして、あえてよかった。届けてもらってよかった。と記す。2016/02/29
水浅葱
0
16年後に届く手紙。16年……。なんて長い時間なんだろう。涙なしでは読めなかった。こんな思いが328万通の手紙に込められているのか。直筆だからこそ伝わる「思い」がある。やっぱり“手紙”っていいな。2011/10/07