内容説明
経営者の面子や旧財閥のしがらみ、行政の強引な介入などがからみ、経済合理性などどこかに吹っ飛んでしまうのが日本の企業合併だとすれば、資本家や投資家のあくなき欲望と、冷徹な資本の論理がぶつかり合うのが欧米のそれである。経済の国際化がますます進むなかで、日本流のやり方がまったく通用しなくなっていることは、甘いエサをちらつかされながら、結局、欧米の投資家たちのカモにされた、日本のいくつかの元超大企業の例で明らかだろう。
目次
第1章 タバコとビスケット(RJRナビスコとLBO)
第2章 カウチ・ポテト(タイムとワーナーの合併)
第3章 遺伝子組み替え(スイス銀行の合併)
第4章 金看板争奪戦(三井物産、三菱商事大合同)
第5章 強制結婚(海運大再編)
第6章 戦艦大和と巡洋艦(新日鉄誕生と幻の「大」王子製紙)
第7章 日米の合併の違いと今後の行方
著者等紹介
箭内昇[ヤナイノボル]
1947(昭和22)年東京生まれ。’70年東大法学部卒業、日本長期信用銀行入行。ニューヨーク支店副支店長、企画室長、営業二部長、取締役、新宿支店長などを歴任、’98年執行役員となるが、経営方針を批判して同年7月辞任。現在アロー・コンサルティング主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。