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文春新書
中国人の歴史観

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600779
  • NDC分類 319.22
  • Cコード C0231

出版社内容情報

アヘン戦争以来の欧米(日本も含む)の暴虐を考えれば、中国は今、何をしても許されるべきだ──これが中国人の一貫した論理である

内容説明

複雑な日、米、中三国関係のなかで、日本とアメリカが共通した「悩み」をもっている。対中国外交の難しさである。台湾問題、人権問題、歴史認識の問題、貿易問題などをめぐる米中、日中間の緊張関係は、今後も長期間続くだろう。最大の理由は、「社会主義体制の中国が読めない」、である。しかし、中国の世界戦略は、「社会主義」のイデオロギーのみによって策定されたものではない。いまこそ、「社会主義の中国」という固定観念を捨てて、「重い過去」を抱えている中国の現代を歴史のなかで見つめなおす作業が求められているのである。

目次

はじめに 歴史のなかの現代中国
第1章 敵か友か―中国的「弱国外交」
第2章 歴史認識―中国外交の思想的根拠
第3章 主権の絶対性―中国外交の性格
第4章 「一面抵抗、一面交渉」―中国外交の手法
第5章 アメリカ観と日本観―中国人の対外認識
おわりに 責任ある大国外交のすすめ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

22
中国人の中でもジレンマやコンプレックスがあること、それを理解したうえで外交にあたらなければならないことなど、複雑に絡み合った歴史的問題が今の中国をつくっていることがわかった。しかし周恩来という人は前々から思っていたが凄い方だという思いを新たにしました。2014/04/25

新父帰る

8
1999年版。在日の中国人で早大助教授(当時)。内容は中国の外交政策と対日米観について。アヘン戦争からクリントン政権までを扱う。因って、中国人一般というより著者の歴史観は「侵略され、独立を奪われた」近代史であり、今でもなお中国人の根底に「被害者意識」が色濃く残っているとしている。国家のスローガンとしては蒋介石政権の「統一と独立」、「統一と建設」が江沢民政権迄続く。蒋から中共政権の連続性を強調。このような歴史観に基づく対日観は常に厳しいが、対米には臨機応変に構える。著者は敢えて社会主義イデロギーに触れない。2020/08/27

2
中国の米国と日本に対する意識を解説。所謂「華夷思想」に異を唱え、時代時代での中国の対外意識を外交や歴史認識から読み解くものだが、詰まる所、時代時代での歴史観は世界情勢に強く起因しているのではないかと。19世紀は自国の被植民地化からアジア(特に日本)との交流を深め、対欧米とは厳しい態度で。20世紀は共産主義体制の押し進めと民族意識の強調から反日体制へと移る。しかし、それが全体に敷衍した思想なのかというとそうでもなく、時と場合によって柔軟に変化可能だということ。そりゃあ揚げ足取られて問題にもなるわ。2011/08/05

ののまる

1
1999年出版なので、今の中国の歴史観はどうでしょう。2014/06/09

おらひらお

1
1999年初版。10年以上前の中国関連の本ですが、内容的に古さを感じない。この辺りが版を重ねる理由かもしれません。また、「一面抵抗、一面交渉」や大国になりつつあるのに小国的な交渉を行うという指摘は興味深い。先日発表された被災地への中国首相の訪問打診もこの本を通じてみるといろいろと感じるところがありますね。2011/05/11

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