出版社内容情報
権力とは何か?中国では、権力を、なぜ「秤」と呼ぶのか?権力という考え方が中国に誕生して以来の二千年余の歴史を解明する
内容説明
西欧のように、「神」の定めた秩序のない「混沌」の世界に生まれた中国人は、群生して共存するために、自前の秩序を築かねばならなかった。そして、その秩序を維持するために「権力」が生まれた。中国人にとって権力とは、すなわち秩序であった。秩序なくしては、国家を含めた一切の集団は成り立たないことを知っていた。そこで中国人は、春秋戦国五百五十年に及ぶ長い時間をかけて政治権力とは何かを探究し、七つの兵書を生み出した。戦争が生んだ兵書の言葉から「権力とは何か」を探り出す。
目次
第1章 権衡と軽重
第2章 権威と魔性
第3章 権軸と流通
第4章 権度と覇王
第5章 権制と勢節
第6章 兵権と節制
第7章 軍権と推轂
第8章 君権と法制
第9章 権謀と術数
第10章 権柄と賞罰
第11章 権力と繆行
第12章 権力と制度
第13章 権力とは何か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
7
ローマ人の物語かなんかで皇帝権を確立するために唯一神の権威を用いるためにキリスト教を国教化したというのを読んでるうちに思い出しました。古代中国では制度や法に保証されて存在していたというのを春秋戦国の頃の話を用いながら解説している。法家が好きなのか儒者をボロカスに言っているのは相変わらず痛快です。君主がどうやって生まれた何かなんて面白かった。菅子とかは読んでみたい。やはり管仲や晏嬰は偉い。2016/12/11
のんたん
3
権力とは何か。太公望、管子、孫子、呉子、韓非子とくれば、法による秩序の維持ということか。内容的にはこれらの解説が多いが、中でも韓非子に興味を持った。でも、権力に一番遠いと思われる晏子が一番権力の使い方が上手とあっては、権力とは本当に難しい。2017/04/16
Panico
2
カオスより生まれた中華の地を治めるための手段として生まれた、権力という概念。その行使について論じた書物をざっとご紹介。それにしても、相変わらず安能先生は太公望と韓非子が大好き……というか儒家が大ッ嫌いだな!2016/03/21
冀望
2
再読の精読。これは帝王学の基本中の基本に答えてくれている。理解は出来たけど、まだ教えるレベルには達せていない。自分自身で他人にわかりやすく伝えるには、もっと組み立てながら詳しく読み直す必要がありそうだ。権力とは?に乗せて書くから、中国兵書も驚くほどわかりやすい。2010/12/29
キングオブ読書
1
権力とは秩序である。 権力は法により保障され、秩序は制度により存在する。2017/04/22