文春新書
ハル・ノートを書いた男―日米開戦外交と「雪」作戦

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600281
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0231

出版社内容情報

「ハル・ノート」──それはいかなる経緯で作成されたのか。ソ連内務省パブロフの工作という新事実が明かす日米開戦の残された謎

内容説明

日米両国は、なぜあのような苛烈な戦争を戦わねばならなかったのか。「真珠湾」に至る日米交渉劇の幕間には、不可解な謎がいまだに数多く潜んでいる。「ソ連が独ソ戦を有利に戦うため日米開戦を策した」とするソ連謀略説も、そんな真偽定かならぬ風説の一つであった。ところが、ここに、その風説を意外な史実に変える新たな証言者が現れた!―日米交渉の経緯を縦糸に、若きKGB工作員の野望を横糸に、独自の視点で編まれた開戦外交史のドラマ。

目次

第1部 日米交渉(日米了解案と松岡外交;首脳会談流産す;東条内閣と日米交渉;暫定協定案はなぜ廃棄されたのか)
第2部 ハル・ノートと「雪」作戦(特別補佐官ホワイトとソ連諜報員パブロフ;モーゲンソー案からハル・ノートへ;なお残る謎―ハル・ノートと満州問題;日米交渉破綻の真因)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

298
先の日米開戦の悲惨さ、終戦の大変さはよく話になるが、これほど歴史的に重要な戦争の開戦までのプロセスは意外と資料が少なく本書は貴重な一冊だと思う。確かにボタンの掛け違いがあったのだとは思うが、アメリカは日本がこれをすれば戦争になるというところの文書を出したのだから日本が悪いと言うより、アメリカ側に問題があったのではと感じる。ここで開戦を回避してもいずれは日米の衝突は避けられなかっただろうな。2016/06/04

skunk_c

72
1998年というからもう四半世紀も前の著作で、当時購入して積んであったものを引っ張り出して読んだ。前半は1940年末からはじまる日米交渉史で、これはそれほど他書と変わる内容ではない。本書の価値は後半の「ハル・ノート」がいかに成立したかという部分にある。ホワイトというモーゲンソーの右腕が起草したものをベースにしたことは知られているが、そのホワイトにソ連の諜報が示唆を与えた話が本書出版当時NHKで報道され、その情報を元にどのように影響したかを示す。丁寧な史料吟味で、いわゆる「ソ連陰謀論」を排している。2023/09/20

nori

5
I expected this book for vital history of espionage war just before dec08, 1941. However, author quoted Pavrov whom he interviewed with NHK. Why he did not quote Richard Sorge? The spy must be one of core players for Soviet, USA and Japan that time.2017/03/28

おらひらお

3
1999年初版。陰謀説等ではなく、いたって真面目な内容です。日米相互の認識の相違が大きな悲劇をもたらしています。たしかに合理的に考えるとアメリカが石油禁輸にすると、戦争なんてとてもできないとなりますが、日本は非合理的な決断をする国だったと指摘しています。2012/12/21

父帰る

2
単なる陰謀説ではないことを理解させてくれる良書。日本側に手交されたハル・ノートに(満州を除く)の文言が何故削除されたかの謎は解けていない。2013/11/02

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