出版社内容情報
司馬文学に新しい光をあてる豊かな短篇小説の世界
『竜馬がゆく』『燃えよ剣』を執筆中に書かれた短篇を中心に。時代小説作家としてもっとも脂がのってきたころの仕事ぶりがよくわかる一巻
内容説明
“『竜馬がゆく』連載開始のころ”司馬遼太郎は言った。「短篇小説を書くというのは、空気を絞って水を滴らすほどのエネルギーがいる」そうして生まれた短篇の豊かな世界を発表順に味わう。
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12(1923)年、大阪市生れ。大阪外国語学校(現・大阪外国語大)蒙古科卒業。昭和35年、「梟の城」で直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。59年、新潮日本文学大賞学芸部門賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。5年、文化勲章受章。8(1996)年2月12日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
79
先週「るろ剣」を読んでいたので、新撰組と剣客ものを読みたくなり、再読。篠原泰之進の死線ぎりぎり外交・伊藤さんの落命「油小路決闘」やら、芹沢鴨暗殺事件、沖田君の青春時代「理心流異聞」監察山崎君の「池田屋異聞」長州浪人人斬りものやら、充実したラインナップで、アクションシーンも満載。。でしたが、小説的なしかけが少なくて、面白いかと言われると。。う~ん。笑。なにげに、篠原泰之進と長州人斬りの「冷泉斬り」の優しい人たちがよかった。今回の土方は嫌味で陰険でしたね(笑)2014/07/20
KAZOO
40
1962年ごろに発表された時代小説の短篇が収められています。このころは新撰組のことをかなり調べられて書いておられるようで、「新撰組血風録」に収められている短篇や「燃えよ剣」の一部が入っていたりしています。長編もいいのですが短篇でもちょっと読み直したくなるようなものもありますね。2015/02/09
kawa
38
月初は恒例?の短編全集から。12編中6編が新選組もの。残りも4編が偶然に直前読了「おれは権現」収録作ということで、生々しく血の匂いがかおる「ザッツ新選組」編の趣き。が、例えば「池田屋異聞」では対立する山崎丞と大高忠兵衛が赤穂浪士での因縁の子孫であることが機縁のドラマ。さすが司馬先生、捻りのある数々の人間模様が読み手を引き込む。これらの執筆直後に連載が始まる「燃えよ剣」の再読意欲も高まる。2022/12/01
カザリ
6
法螺貝と女。 夫のよさ、、結婚してみないとわからない。。恋愛のよさは知ってるけど、夫は恋愛以上に極上なのだろう、という想像がわいた。。2013/03/02
AR読書記録
4
かなり新撰組度が高い時期。沖田総司のつかみどころのないキャラがよいなぁと思うけど、はて史実にのっとったものだったかどうか。というところの「史実」は、とりあえず子母澤寛の新撰組始末記を想定しているんだけれども。読んではいるけどだいぶ忘れちゃったな。2016/08/31