出版社内容情報
80周年記念出版 激変する時代がもとめてやまぬ人物とは?
晏嬰は戦下に没した父晏弱の喪に服す。それは古礼にしたがい三年に及ぶ。政治は天と民の声をきくにありとした稀有な名宰相の生涯
担当編集者より
天子、君主、そして諸侯も「神の子」と信じられていた時代が去り混迷をきわめる春秋期、国政にあずかるものはかつて体験しなかった難題に直面します。父晏弱が晩年、晏嬰に語る言葉は為政者の苦渋を語りまことに印象ぶかい。——君主への忠誠はかならずしも正義ではない。正道をすすむことはもはや至難である。——さらには「民の欲」について。民は本来過大な欲をもたない。もし民が異常な欲をもったとすれば、それは「天意」の反映と考えてよく、とてもあらがいようもない。(MK)