出版社内容情報
80周年記念出版 仁と義の世界を鮮烈にえがく名篇
食客とは天の使いよ、と父田嬰。ひとを助ければ自らを助くと。戦国の世ならではの、はかりしれない大きな人間観をえがく歴史巨篇
担当編集者より
「仁」の古義は人が並びたつことだそうです。孟嘗君田文に養父白圭は死ぬ間際に言います。「文どの、人生はたやすいな。人を助ければ自分が助かる、わしは文どのを助けたおかげで生きてきた。礼をいわねばならぬ」——人は一人では世をうごかせない、並んで生きなければならない。孟嘗君こそこの仁の真義を最も広い規模で具現させた人物でしょう。謀らない、固執しない、そして勝ちすぎない。作者はこの大作を書きおえ「颯爽の気が机上でしばし韻(な)りやまなかった」としるしています。(MK)
内容説明
中国古代小説のすべて!勝ちすぎれば滅亡につながる。乱世を生きるおおいなる知恵とは―。「中庸」というものを、自ら体現した名宰相の颯爽たる生涯。