出版社内容情報
80周年記念出版 宮城谷文学はこの一作にはじまる!
神霊が支配する最後の神の国・商はいかに滅びたのか。かつてだれも描かなかった未踏の文学空間。記念すべき処女長篇小説である
担当編集者より
「三年園(えん)を窺わず」という言葉があるそうですが、無名時代、郷里でひとり、この処女長篇に没頭した氏の歳月ほど、これにふさわしいものはないでしょう。世にでた初版はわずか五百部にすぎませんが、司馬遼太郎氏、白川静氏から予想もしなかった便りがとどき「喜びで胸がふるえた」と作者は記しております。物語の主人公・箕子(きし)は商(殷)王朝の再生をねがいつつ果せず、北方のどこかで王国を築いたとされる人物。当時の作者自身の自画像をおもわせる作品です。(MK)
内容説明
この一冊こそ宮城谷文学の源泉、幻の処女長篇である。おおいなる神の国「商」、その滅亡までの戦慄の日々を鮮烈にえがく異色作。巻末特別書きおろし春秋名臣列伝「魯の〓孫達」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
牛乳
2
周に滅ぼされるときの商を著している。太公望や周公旦は有名だが出てくるのはちょっとだけ。君子が立派な政治でもって国を発展させる、単純な内容ではない。権謀術数を駆使しつつ、親子の代で商を滅ぼす様がすごい。2016/05/01
牛乳
0
みなさん、名前は聞いたことがあるかもしれない、太公望と周公旦がちょこっと出てくる、中国の商の時代の話。歴史小説は、史料等を基にした下調べから、著者の妄想(想像)で書かれている、気がする。この巻に限らず、英雄といわれる人が本当はこんな悪人だったとか、こういう一面があったんだよ、という解釈を読むというか教えてもらうのが、面白い。2015/11/22