須賀敦子

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784166403004
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

「きっちり足に合った靴さえあれば」――。名著『ユルスナールの靴』冒頭の名文をはじめ、代表的随筆集からの抜粋、夫への書簡など。

女性作家名随筆のアンソロジー、第九巻は、選者・川上弘美さんが以前から愛読していた須賀敦子さんの作品です。代表的随筆集である『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『遠い朝の本たち』『時のかけらたち』から数篇ずつと、単行本未収録エッセイ、夫ペッピーノへの愛と茶目っ気があふれる書簡(原文イタリア語)で構成します。。「理解したい。理解するにはどうしたらいいのか」――異質なもの、容易には近づき得ないものへの好奇心と信頼を生涯失わない姿勢に、衰えぬ須賀人気の秘密がある気がします。

内容説明

人生の円熟期に入ってから奇跡のように次々と発表された人生彷徨の回想記。かけがえのない出会い、避けられぬ別れが心を打つ。

目次

第1部 イタリアの友人(遠い霧の匂い;マリア・ボットーニの長い旅;夜の会話 ほか)
第2部 文学と人生(プロローグ(『ユルスナールの靴』)
死んだ子供の肖像
しげちゃんの昇天 ほか)
第3部 ペッピーノへの手紙ほか(芦屋のころ;となり町の山車のように;大洗濯の日 ほか)

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。2001年、『センセイの鞄』で第37回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

emi

55
川上弘美さんが選んだ須賀敦子さん、というだけで期待が高まっていたのですが、期待通りだったなぁと思いました。須賀さんのエッセイは客観的な視点で綴られ、時や人を入れ替わり立ち替わり登場させ、そして大抵死で終わるので、概ねしっとりとした読後感がするなぁといつも個人的には思うのですが、そういう流れの中にはっとする一文がさりげなくあるところが魅力的です。「だれかが明りをともすと、家に夜が来た」なんて、すごく詩的だな。憧れには「努力したら手が届く」と「決して手に届かない崇高さ」の2つがある。須賀敦子さんはいつも後者だ2016/05/28

あんこ

22
二年前に買って積読にしていたことを思い出し、読んだ。須賀敦子の文章は透明な水のようによく澄んでいる、と彼女の文章に触れるたびに思う。明らかな感情を明らかなことばで表しているわけではないのに、歩を止めて読まずにはいられない。イタリアの友人たち、そして日本の友人たちのことを、丁寧に思い出して紡いでいる。かつて居た人たちへの愛に溢れている彼女の文章だからこそ、時折胸が締めつけられるのだろう。2014/08/10

くみ

7
川上弘美さんが選んだ「須賀敦子アンソロジー」 須賀さんの文章は淡々としている。それなのに読むときによって異なった印象を受ける。ある時は冷たく厳しく、ある時はとても情熱的で直情的。切なさとだんな様へ対する愛情。そして随筆なのに淡々としてるのに「それはその後どうなるの」と気持ちをかりたてられる。 「コルシア書店の仲間たち」「ユルスナールの靴」など読んでいきたいと思った。2017/05/20

ふしぎ

7
少しふらふらしているところがあるけれどあなたは大丈夫、と敦子が言われる場面、大学4年で将来に不安が生じている自分にすごく響いた。自分の直観を信じて、人と出会ったり留学したり結婚したりした須賀敦子という人物に憧れた。人が亡くなるところを書いた、いくつかの文章がなぜだかすごく心に残った。2016/07/30

miu

5
ページの隅から隅までみちみちと言葉が詰まっている。須賀敦子の文章は丁寧で厳かな感じがする。兵庫に住んでいたころのお話やイタリアに住んでいたころのお話。何歳でもどこにいても、感受性豊かに日々のことが綴られている。いつまでも色あせることのない随筆。2024/11/01

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