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白洲正子

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784166402809
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

名門にうまれ、女性として初めて能舞台に立ち、各地に巡礼の旅に赴いた。そして一流の文化人と交流した。膨大な仕事の軌跡を辿る。

好評の女性随筆集、いよいよ後半分の刊行開始(第四回配本)。紀行、骨董、民芸、着物、古典、能などに関する膨大な文章を残した白洲正子の作品から各分野ごとに厳選。「第一章 知人・友人」では小林秀雄、青山二郎など師とも仰いだ男たちのことを書いた文章を収録。ことに「正宗白鳥」は、文人にとって生活というものは何か、をまざまざと見せてくれる一篇である。「第二章 日常なるもの」には祖父の追憶や懇意にしていた女友達を悼む文章など、どちらかといえば私的な面がのぞける作品を集めた。白洲正子の感性、思考の核心を成していたのは「能」の素養だが、「第三章 お能」は能の鑑賞入門にもなっている。「第四章 古びぬものたち」は、明恵上人や西行、古寺巡礼に関する文章で構成。本書は、絶好の「白洲正子入門」であり、最良の「白洲正子決定版」である。

内容説明

人生諸般への鋭く、かつ心ある洞察、小林秀雄、青山二郎らとの交流、能の素養を背景とした古人への追慕、これは白洲正子の入門書かつ決定版。

目次

第1章 知人・友人(一つの存在;ある日の梅原さん;『いまなぜ青山二郎なのか』;小林秀雄;正宗白鳥;青山二郎)
第2章 日常なるもの(銀座に生き銀座に死す;冬のおとずれ;老木の花;浮気について;幸福について;晩年の祖父;私の墓巡礼;死;ツキヨミの思想)
第3章 お能(お能の見かた;能面の表情;お能を知ること;舞う心;お能の幽玄;面について)
第4章 古びぬものたち(信玄のひょうたん;明恵上人のこと;無言の言葉;西行のゆくえ;坂のある風景;古寺を訪ねる心―はしがきにかえて;極楽いぶかしくは)

著者等紹介

小池真理子[コイケマリコ]
1952年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。96年、『恋』で第114回直木賞を受賞。2006年、『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬見

13
前に読んだ有吉佐和子・岡本かの子編が良かったのでこちらも購入。これから少しずつ集めていきたい。恥ずかしながら白洲正子を読んだのはこれが初めて。小林秀雄や正宗白鳥といった文人との記憶や祖父樺山資紀との思い出など、かの人たちの息遣いを感じさせる人物回想記が非常に魅力的。視線が澄んでおり、するすると情景が流れ込んでくる。特に、親友むぅちゃんについて綴った「いまなぜ青山二郎なのか」「銀座に生き銀座に死す」が良い。瑞々しく、愛おしく、切なく、彼女はそこにいた。この人のなかでむぅちゃんは生き続けているのだ。2019/08/25

bluemint

12
優れた文章だとは何となく感じられるが、悲しいかな私には彼女が前提としている知識や文化を持っていない。だから読み方も表面的になってしまう。彼女のバックグラウンドは、能や焼き物、中国や和洋の古典、それに十代のアメリカ留学の経験や出自など複雑であり、その上に明晰な頭脳と情熱を持っている。こんな人が推敲を重ねた文章をその精神まで掴み取るのは私には不可能だった。当時の知識人が共通な素養としていたものを、今ではなくしつつあると思わざるを得ない。2020/10/28

和草(にこぐさ)

8
初白州正子先生。ずーっと気になっていて、この随筆集を読むことでもっと読んで知りたくなった。自分の考え、信念を持った女性。2013/10/19

at@n

5
端正で美しい文章に驚いた。選者の小池真理子同様食わず嫌いだったのだが、国語の教科書に掲載されてもよさそうな清々しさと機知に満ち溢れていると思う。2022/06/09

どら猫さとっち

5
選者もそうであるが、白州正子のことは知っていても、エッセイは読んでこなかった。今回それを読んで、深い教養と日本文化の造詣の深さに感嘆した。特に能に関するエッセイは、実はわかりやすい。また彼女を周囲の人たちの観察眼も鋭い。文章は比較的読みやすいが、書いてある内容には深みがある。白州正子のエッセイを最初に読むとするなら、本書からおすすめしたい。2014/10/15

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