出版社内容情報
漂着した女真の王女と「韃靼」へ渡り、満州武士団の一員として明から清への王朝交代に立ち会った肥前松浦藩士、庄助の数奇な生涯
内容説明
漂着した女真の王女を送って「韃靼」の地へ船出した平戸藩士・桂庄助は、満洲武士団の一員として明から清への王朝交代に立ち会う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
13
2049-269-42 文字が小さい上に2段組で約600ページは長かった💦 漢民族の明朝から女真族の清朝へ入れ替わる中国で闘いに巻き込まれたり、鎖国の影響で帰国できなくなったりと翻弄されつつも生き抜いた庄助の生涯は厳しいものながらも、なんとか帰国しアビアと一緒にいられたことは幸せだったんだろうな。仕方がなかったとしてもこの時代に棄民された人たちは辛い思いをしたんだろうな。2021/10/15
まりか
2
途中で挫折するつもりで借りたけど、ぐいぐい読めた。浅田次郎の小説で興味もったけど、やっぱり北方の騎馬民族はかっこいいなぁ。かたい話かと思ったら、恋愛模様が少女漫画チック。バートラが男前過ぎるのに、アビアは庄助一筋で、良い女だな…。比喩が多い。「搗きぞこねの水っぽい餅のようにとりとめのない男」って。どれも時代背景に合うように考えられてて、知らず知らず物語の空気になじんでいく。なるほどね〜。2021/09/22
Kiyoko
1
正に疾風が如く、爽快でそれでいて丁寧で濃い内容だった。オススメです。2012/12/29
しおつう
0
『項羽と劉邦』にて秦から漢への移行、そして本作で明から清への移り変わりを詳細に知ることが出来た。例のごとく国、民族、集団から個人に至るまでそれぞれの行動がどういった立場や思惑に基づいてなされているのかが手に取るように理解できる。司馬作品はその殆んどが綿密な取材や調査によって作成されているため歴史を学ぶにはこれ以上のテキストはないのではないか。2012/11/02
平田まめきち
0
割と長かったので駆け足気味に読んだ。アビアのキャラクターが愛嬌があって好印象だった。不覚にも萌え絵が脳裏にちらつく。私感としては、司馬遼太郎の作品としては割と柔らかい印象を受ける。愛と冒険のロマンな感じだった前半はもりもり読んだのだが、後半は李自成や呉三桂の話にあまり興味がなかったので適当に読み流してしまったのだった。いつか再読。2012/05/21