出版社内容情報
征韓論は日本を引き裂いた。薩摩系の士官は西郷隆盛を戴いて鹿児島へ去り、薩摩は独立国の様相を呈した。新生日本は崩壊の危機を迎えた。西南戦争を描く大河小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
13
【図書館】【速読】:適当に流し読み、明治初期の頃の物語。西郷や大久保などトップクラスの傑物が、当時の国政について議論を交わし、それぞれの思いを秘め躍動する。英雄紀淡な物語だ。2024/11/04
てり
2
西郷論、薩摩論ともいうべき迫力の筆致に圧倒される。現代に生きる自分には征韓論など愚策にしか見えないが、当時はそうではなかった、真剣に考える人たちがいたということの、ほんのさわりの部分だけのぞき見ることができたような気がする。(3)へ続く。2020/09/01
ケン
1
本巻では西郷より大久保の偉大さ、冷血さ、粘っこさを感じさせられた。スケールでっかいなぁ。2023/04/14
Prince of Scotch
0
図書館でお借りした本。征韓論争によって、主要参議は太政官を辞し下野へ。そのなかでも最も影響力を有する西郷隆盛の下野に伴い、近衛都督の薩摩人将校・下士官が大挙、鹿児島へと戻る。不平士族の処遇が未解決のままの明治7年、江藤新平率いる佐賀の乱が勃発するも、内務卿・大久保利通の電光石火といえる処置で乱は鎮圧される。時を置かず、台湾出兵という外政問題に手を焼くも、これも大久保の剛腕で落着する。まだ盤石と言えない明治新政府、内外の諸問題を山ほど抱え、物語は明治8年以降の第37巻へと続く。2018/01/17