出版社内容情報
昭和史発掘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
34
図書館本。「石田検事の怪死」「朴烈大逆事件」「芥川龍之介の死」「北原ニ等卒の直訴」「三・一五共産党検挙」「佐分利公司の怪死」「潤一郎と春夫」「天理研究会事件」「スパイ“M”の謀略」と「身辺的昭和史」を収録。本格推理小説のような見事な内容ばかり。よく取材している。2022/10/15
Hisashi Tokunaga
2
松本清張の「昭和史発掘」の全作品が網羅されていないが、昭和一桁の暗い世相を発掘する題材である。「石田検事の怪死」は大田区の東海道線蒲田大森間中間新井宿第二開渠で発見された検事の死体に端を発する。「スパイ”M"の謀略」は大森銀座大田区入新井川崎第百銀行大森支店の銀行ギャング事件を端緒にする。「朴烈大逆事件」はあの金子文子がサブキャストだ。「北原二等兵の直訴」は岐阜第六十八連隊に編入される解放運動との連環する史実。「佐分利公使の怪死」は富士屋ホテルだが自死とは言えない謎。「天理研究会事件」はほんみち教の前史。2019/12/27
たれっくま
0
戦前に『下山事件』と似たような事件が起きていたのに驚いたのと、芥川龍之介の自殺についての考察がなかなか面白かった。2012/09/30
ゴリゾウ
0
『昭和史発掘』が単行本13冊にわたるたいへんな力作であり、後半7冊を占める「二・二六事件」の外に、各冊平均三編、合計十七編を含んでいる大著・・。そのうちの九編が収録されている。(「BOOK」データベースより) #13171994/01/29
yazaki_yoshiki
0
年表には記載されていても、あまり気に留めていなかった事件について、掘り下げた記述でした。 とくに、朴烈大逆事件、北原二等兵の直訴事件、三・一五共産党弾圧事件、芥川龍之介の自殺事件は、事件に関わる人間模様が丹念に記述されていてよかったですね。 再読する機会があると思いますが、その時には、また違う感想が湧くと思います。2019/12/30