出版社内容情報
罠と知りながら、女をさらった山伏集団を追って山中深く潜入した男に危機が迫った!敵は誰か?味方は誰か?多彩な登場人物がからみあい、謎はますます深まる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
29
この巻では、おえんやお島が山伏たちに拉致された話が延々続く。しかもおえんが危ない目に合う場面が多々あり、やや冗長。 しかしながら、ハラハラドキドキさせる部分もあり、清張にしては珍しいと思った。 その意味では彼の異色作かもしれない。 主人公恵之助の同僚向井と怪しげな女お島の正体が明らかにされる。 お島は予想通りだったが、女の執念はすごい。 恵之助の部下の浜島、「おとこおんな」であることは分かったが、まだ何か謎があるような気がする。 敵の大将はかなり大物らしく、これは全く予想がつかない。 ★★★★2020/10/06
kaorin
1
九州の豊前、豊後、肥後の山々を舞台に繰り広げられる、鉱山を巡る時代物サスペンス。事態は刻々と変化し、主人公恵之助が優勢かと思えば、敵が優勢になり・・・息つく暇なし。権力、金への欲、嫉妬、憎しみ、色欲・・・人間の飽くなき煩悩が入り乱れる。剽軽な嘉助と、男女の浜島のユニークさが、救いだ。。。霧深い連山、奇岩あつまる耶馬渓と谷間を流れる急流・・・情景が目に浮かぶようだ。さあ、恵之助たちの運命やいかに?大悪人は誰だ?金は本当にあるのか?そしてお島はどう出る?気になることだらけで、3へ進む。2022/03/11