出版社内容情報
立身出世美談と経営哲学の独自性で有名な経営者の隠し子をめぐって、億万長者と古美術商のからみ合い、さらに業者と鑑定家の癒着などミステリアスなタッチの長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
グラスホッパー
11
昭和40年の新聞小説。骨董屋の主人公が、昭和のおっさんであった。謎めいた展開で読み進むのが楽しかった。原題は「風圧」であるが「雑草群落」のタイトルが内容そのもので、著者のタイトルのセンスは天才だと思う。2025/01/10
ゆめの
2
1965.6月から1966.7月東京新聞に古美術業界を描いた作品。読めば読むほど清張はすごい。ミステリとうと犯罪小説というイメージを破っている。いろんなジャンルを描く多彩さ、それに加え人間関係描写の機微。これも隠れたBL小説だ。明和製薬の社長、当時代あるあるだ。金持ちの愛人もちは当たり前、隠し子たくさん。今じゃそんな人間評価が低いけどね。しかし、偽物作家は今も昔も変わらないね2025/05/19