出版社内容情報
明治三七年二月四日、御前会議は対露交渉打切りを決定。宣戦布告ののち陸軍はたちまち九連城を占領。開戦までの経過を描く第一巻
内容説明
日本人にとってこの戦いは何を意味したのか。明治という若い国家が命運を賭して戦った総力戦の一部始終。本巻は、明治33(1900)年3月~明治37(1904)年5月までを収録。
目次
ロシア東漸
日英進展みず
八甲田山の悲劇
死の彷徨
天に見捨てられる
ロシヤ後退
満州の露軍
龍岩里事件
満韓をめぐって
遅々たる談判
戦備着々
開戦前夜
旅順と仁川
夜襲雷撃
戦況吾に利あり
広瀬武夫の死
敵船殲滅作戦
世紀初頭の大陸戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
10
八甲田山の悲劇は、自然を甘く見て装備や糧食もお粗末であったのに加えて、「日露戦争」の切迫感を感得して「実戦並み」の訓練とした無謀な行軍が引き起こしたと言えそうです。日露戦争時すでに日本の暗号はロシア側に解読されていて、後にその事実を日本は知ることになるのですが、当時から日本は情報に関しては隙だらけだったのが分かります。次の大戦にこの教訓が生かされることはありませんでした。科学より精神論を重んじた当時の神国日本の姿が浮かび上がってきます。2015/06/30
フンフン
7
児島襄の大山巌伝が尻切れトンボだったので本書に読み進むことにした。日露開戦前の日露関係から始まる。八甲田山遭難事件にもけっこうな紙幅を割いている。いよいよ開戦となり、軍神広瀬中佐の死や鴨緑江渡河作戦、九連城攻略まで描かれる。2024/06/20
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