出版社内容情報
人を想う気持ちが溢れる
切なくも温かい“反”希望の物語
大災害の日に生まれ、
希望の象徴となった子どもたち。
彼らの人生は交わり、
鮮烈な光を放つ――
言葉にできない、でも確かに存在する
感情や関係を掬い上げて心を揺さぶり、
また思いもよらぬストーリーテリングで
読者を驚かせてくれる一穂ミチさん。
その魅力のすべてが詰まった
集大成ともいえる小説が誕生しました。
テーマ、登場人物、人間関係、物語、
いずれも一穂さんにしか書けない
何度も胸が締め付けられる珠玉の連作集です。
〔あらすじ〕
失声症により言葉を発することができない
雪花は、スクールカウンセラーの梢から
生まれた日によって希望を背負わされた人が
集まる「反希望クラブ」に誘われる。
雪花が生まれたのは2011年3月11日。
その日を境に、父は故郷の福島から戻らなくなり、
雪花は母と大阪で暮らすことになった。
ずっと抱えてきたわだかまりを分かち合える
「反希望クラブ」は雪花の
大切な居場所となっていく。
そんな中、雪花は母のスマホを盗み見てしまい――。
〔目次〕
希望の子
カーマンライン
ウィンドミルでキドニーパイを
羊の帰る家
歌うように生きて
汽水域
【目次】
内容説明
大災害の日に生まれ、希望の象徴となった子どもたち。彼らの人生は交わり、鮮烈な光を放つ―。切なくも暖かい”反”希望の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
『反希望クラブ』がキーになってる短編6話。内2編はアンソロジーで既読。再読してもやはり好い。特別な日は後付け。選んで生まれた訳じゃない。うんと大人になったら、何もかも飲み込んで嚙み砕いて平気(な振り?)なのかもしれないが、そこに行きつくまでの本人の葛藤は周りには分からない。どんな日だって特別なんだ。握って生まれた拳に沢山の希望があったはず。オギャーと開いた掌で掴むのは夢か幻か。今はわからずともいいのだ。淡々と生きて行け。一穂さんお見事。雪花のその後をどこかで読みたい。2026/10/29
hiace9000
123
厄災の日に生を得たが故に「希望の象徴」の枷を嵌められ生きることになった子どもたち。その生きる辛さのなか、梢が立ち上げた”反希望クラブ”には同じ境遇の子が集まり…。親や大人が子どもに求める「希望」を子どもに託し背負わせることの罪とは。人の内に潜む多様な思いを切なくも温かく炙り出し描き上げる一穂筆、その至高にして珠玉の傑作連作短編。短編毎の高いクオリティは順に読み進めるほどに通底する主題とより強く絡み合い深い読み心地と思索を生み出す。別アンソロジーに所収の作品も、本作一連の流れの中でより一層輝いて読ませる。2026/10/23
itica
74
震災の日、テロの日、悲劇の日に生まれた子供たちに、大人は勝手に希望を見出そうとする。何も知らない普通の子どもなのに、祈りにも似た重荷を背負わされて育った。そんな人たちの小さなサークル「反希望クラブ」の連作短編集。少し重いけれど、明日を見つめる目が明るくて救われる。 2026/11/06
けいぴ
60
大災害の日に生まれて希望を背負わされた人たちが集う「反希望クラブ」。災害の中でこの世に産声を上げれば、周囲は希望の象徴にしたいけれど当事者には苦悩もある。本来は生まれてきた誰もがみんな「希望の子」。中国人の恋人を待ち続ける「歌うように生きて」がすごくよかった◎2026/11/03
ごみごみ
57
ああ、人生を半分以上過ぎて、こんな生きづらさがあることに初めて気づかされた。なんて能天気なの、私!このテーマで書いてくれた一穂さんに脱帽。奇跡とか運命とか、大人は希望を託すけど、その子にとってはそんなの関係ねぇ。考えてみればそりゃそうだよね。「反希望クラブ」のネーミングも秀逸。何のしがらみもなく、自分の選んだ道を、好きに生きていく・・自分ではそれが理想と分かっているのに、なぜか子どもにはいろんなことを背負わせようとしてしまう。大人って勝手だ。自分も含めて。2026/10/24




