出版社内容情報
人を想う気持ちが溢れる
切なくも温かい“反”希望の物語
大災害の日に生まれ、
希望の象徴となった子どもたち。
彼らの人生は交わり、
鮮烈な光を放つ――
言葉にできない、でも確かに存在する
感情や関係を掬い上げて心を揺さぶり、
また思いもよらぬストーリーテリングで
読者を驚かせてくれる一穂ミチさん。
その魅力のすべてが詰まった
集大成ともいえる小説が誕生しました。
テーマ、登場人物、人間関係、物語、
いずれも一穂さんにしか書けない
何度も胸が締め付けられる珠玉の連作集です。
〔あらすじ〕
失声症により言葉を発することができない
雪花は、スクールカウンセラーの梢から
生まれた日によって希望を背負わされた人が
集まる「反希望クラブ」に誘われる。
雪花が生まれたのは2011年3月11日。
その日を境に、父は故郷の福島から戻らなくなり、
雪花は母と大阪で暮らすことになった。
ずっと抱えてきたわだかまりを分かち合える
「反希望クラブ」は雪花の
大切な居場所となっていく。
そんな中、雪花は母のスマホを盗み見てしまい――。
〔目次〕
希望の子
カーマンライン
ウィンドミルでキドニーパイを
羊の帰る家
歌うように生きて
汽水域
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shio
31
3/11に生まれた小学生の六花、9/11アメリカで生まれた朝海、1/17に生まれたスクールカウンセラーの梢。大勢の生命が失われた“あの日”に生まれ、誰かの「希望」になった3人。美しく優しく「希望」の重みがのしかかって窒息しそうな時、「反希望クラブ」のメンバーとして集まり、苦しみを吐き出す。相手を希望で包んでしまうのも優しさ。はねのけられないのも、優しさ。お互いに痛みの底では、それぞれの優しさで繋がってるはずだと、信じさせてくれる短編集。恋人と同じ誕生日の「歌うように生きて」切なさに心を拗じられた😭 2026/09/07
nyanco
29
エグイ、えぐ過ぎる。 いったいどうやったらこんなテーマを思いつくのだろう。 災害のあった日に生まれた子供は希望ですか? そんなの重すぎます。生まれてくる日は選べません。 この物語は、大人に勝手に希望を抱え込まされた子どもたちのその後のお話。 それぞれは重いものを抱えているのに「反希望クラブ」の重すぎない集まりの形も良い。 連作短編集でそれぞれが繫がり、それぞれの物語が語られる。どれも辛く、苦しい現実。でも、子供がかわいそう、だけで終わらせないのが一穂さんの凄いところ。→続2026/10/06
RRR@読書中毒
17
一穂さんの最新作で、短編集です。大震災の日に生まれた子供に託される希望ーー。託される側にとっては、言葉にならないモヤモヤもあるだろう。その複雑な子供心を、丁寧に紐解いています。子供はもっと伸び伸びと自由に生きられる世の中こそ、子供は希望を持てるが、一方的に「特別な日に生まれたから」で子供はやり切れない。仄かな温かさが読後感でした。2026/10/10
manabukimoto
7
9月11日や3月14日や1月17日。大きな出来事のあった日に生まれることで、希望の象徴にされてしまった子どもたちの生きづらさ。と同時に育まれる人と人とのつながりを描く、連作短編集。 「反希望クラブ」。誕生日に過剰な意味を背負わされた人たちが集まるコミュニティ。そうか誕生日を背負うというのも確かにしんどいなあ、と共感する。 二作目、朝海とケントの話が良い。切ない。John IrvingのThe Hotel New Hampshire 読みたくなった。 2026/10/11
おうさま
7
1995年1月17日、2001年9月11日、そして2011年3月11日 どの日のことも記憶の中に残っている その日その場所で誕生した子供は、好むと好まざるとにかかわらず「希望」という十字架を背負わされていたのかと痛感 そんな3人の出会いがとても印象的 3人それぞれの想いが、時に切なく、時に温かく感動的でした2026/10/09
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