出版社内容情報
第175回芥川賞候補作
「私がこれまで何も選ばずにいようとしていたのは、選んだその瞬間に過去を罰せられる気がして怖かったからだ」
奔放に生きてきた私の身体に突然つきつけられた衝撃。採取された血を取り戻しに、ビジュー付きのサンダルで病院へと向かう私の中に、過去のさまざまな行いがよみがえる。
圧倒的な「罪と罰」の物語。
【目次】
内容説明
採取された血を取り戻しに、私は病院へと歩き始めた。圧倒的な「罪と罰」の物語。第175回芥川賞候補作。
著者等紹介
鈴木涼美[スズキスズミ]
1983年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院社会情報学修士課程修了。小説第一作『ギフテッド』、第二作『グレイスレス』がともに芥川賞候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
182
第175回芥川賞候補作・受賞作第二弾(2/5)、今回は候補作です。鈴木 涼美、4作目です。著者が女性ならではの血に拘った作品、こんなに自由奔放な女性が出産したら、新たな悲劇が生まれるかも知れません。受賞作と比べると、新鮮味に欠けています。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163921426 【読メエロ部】2026/07/25
シナモン
89
妊婦健診で抜かれた血液を夜中取り返そうとする女性。病院にたどり着くまでに頭に浮かぶ今までの人生のあれやこれや。読了直後はやっと読み終えたって感じだったけど、レビュー書きのためにパラパラ見返したらじわじわときた。もう1回読もうかな。暗い小説だけれど麻子の存在が救い。文學界2026/6月号にて読了。 2026/06/28
ごみごみ
56
受賞とはならなかったが、芥川賞候補作品ということで手に取った。たぶん初読みの作家さん。これまでの人生を(特に性に関して)自由奔放に生きてきた女性。妊婦健診での血液検査で、これまでの過去が露呈するのでは、と不安になり血液を取り戻しに行く・・というなんとも理解しがたい話で私には合わなかった。反省とか贖罪という訳でもなさそう。本好きの父親が入院中に放った言葉には、なるほどと思えたが、それ以外は入ってこなかった。2026/07/19
七草
24
妊婦の茜は高校を中退し、水商売をし、肉体を切り売りしてきた。酷い生活を重ねてきたので、自分の血液や心根は不純だと思っている。子どもを産むか産まないか、結婚するかしないか迷う。消毒液と石鹸チックとフローラルが混ざった不潔な臭い。因だけがあって果のないような、罪だけがあって罰がないような人生。前半は生々しかったが、後半は父との関わりや内面の葛藤があって、異性でも理解できる部分があった。茜に部分的に共感する女性は一定数いると思った。2026/10/03
えも
23
妊娠した主人公は、これまでの爛れた生活の結果による性病を恐れている。それ故、採血された血を取り戻そうと病院へ向かう夢(妄想?)を見、そこで過去の自分や家族との関係を思い出す▼何とも読みにくい文体、性風俗や男遍歴を赤裸々にしているのにエロさを感じない描写、それがいかにも芥川賞候補作って感じ▼作品としては刺さらなかったけど、もう1作ぐらい読んでみてから、今後のお付き合いを決めようかな。2026/09/18




