出版社内容情報
京都にある味噌製造会社につとめるわたし。ある冬の寒い朝、出勤すると社内のあちこちでささやかされる噂にになつかしい名前を聞く。
「亡くならはってん、黒野田さん」
かつてわたしが心のなかでこっそり「ソリティアおじさん」呼ばわりしていた人が死んだ。
「火事やってんて」
ひょんなことからソリティアおじさんの通夜に参列したわたしは、ずるずると交際の続く恋人、将来の見通しのたたない仕事、それぞれに踏ん切りをつけるためある決断を下す。
軽妙な京都弁で女性の内面を鮮やかに描き、誰にでもある変わらぬ日常におとずれる些細な変化こそが、人生の行き先を変える様を控えめに、けれど確かに物語る胸に染み入る傑作小説。
ソリティアのように無数の選択肢がある人生で、わたしが選んだ次の一手。クリアとなるか、手詰まりか。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みずたま
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定年退職した黒野田さんが亡くなった。味噌製造会社に勤めている古井瀬は彼のことをこっそりソリティアおじさんと呼んでいた。古井瀬は遠慮するはずだったお通夜に向かうことになり、黒野田さんのことを何も知らなかったと気づく。何がきっかけでソリティアおじさんになったのか?その前はどんな仕事ぶりだったのか?ソリティアはすぐに行き詰まったり、やり直したら驚くほど順調だったり、どこで選択を間違えたかはっきりと分からない。そのあやふやさが単調な日々の繰り返しと、小さな選択の積み重ねでゴールに向かってゆく人生に重ねられる。2026/06/21




