出版社内容情報
命を撃つ。その意味を、私は?みたい。
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大学生のマチが出合った狩猟の世界。
新人ハンターとして歩みを進める彼女の前に、
一頭の熊が現れる--
直木賞『ともぐい』の著者・河﨑秋子が北海道を舞台に描き出す、
狩猟と狩猟に携わる人々の物語。
それは、すぐ隣にあるリアルな現実。
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「撃たれる動物にとっては、撃った人間が男か女か、お金があるかないか、容姿がどうとか、関係ないんだって。そういうの全部、関係ないところに私は行く」
【目次】
内容説明
大学生のマチが出合った狩猟の世界。新人ハンターとして歩みを進める彼女の前に、一頭の熊が現れる―。ある女性ハンターの誕生と葛藤、そして熊との真剣勝負。
著者等紹介
河﨑秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第四六回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で15年度JRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第二一回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第三九回新田次郎文学賞を受賞。24年『ともぐい』で第一七〇回直木三十五賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
162
令和を舞台に狩猟がテーマの小説とは、北海道の酪農家に生まれた著者にしか書けないのでは。周囲と同じ生き方に疑問を抱かなかった女子大生が偶然ハンティングに興味を持ち、実際に動物の命を奪う経験を重ねて成長していく設定がユニークだ。様々な狩猟哲学を持つハンターや理解ある家族から見守られる一方で、血を見るのを忌避する恋人や友人は離れるなど、この世界で初めて知った葛藤や苦悩を味わうドラマが面白く読ませる。昨年来のクマ騒動でハンターの存在は広く認知されたが、人が生きるために動物を殺す覚悟と必要性を改めて考えさせられた。2026/03/12
いつでも母さん
138
無暗な殺生ではない。人間が一番偉いわけではない。自然界の線引きは難しい。『令和の狩猟エンタメ』と帯にある。河﨑さん問題提起してますね。ここ数年熊の被害とか、増えすぎた鹿問題とか、ハンター不足とか・・実際に厄介なのはそこで暮らしていない人間たちの勝手な行為(ネットにあげるとか、自治体への抗議とか)命をかけて駆除する者の葛藤や苦悩・・それぞれの思いがヒシヒシと伝わる本作。ハンターたちの熱い覚悟を突き付けられた感じ。「熊が憎いわけじゃない」「自分は怖い人間かもしれないと思っておくこと」その言葉を嚙み締めた。2026/03/12
ゆみねこ
79
恵まれた環境下で大学に通う岸谷万智(マチ)が彼氏の部屋でふと手にした狩猟の雑誌。それを機に大学近くの銃砲店に出向き、ハンターの新田と出会う。ハンターを目指すことで彼氏とは破局、親友にも付き合いを絶たれる。狩猟に向き合うマチの成長や鹿や熊に対峙する姿、師匠とも呼べるアヤばあとのやりとり。無責任な動画配信者との対決シーンは胸がすく。マチの成長譚としても、今問題になっている害獣駆除の問題もからめ、とても面白く読了。マチのこれからも読んでみたい。2026/03/13
ごみごみ
58
昨秋、熊による人身被害が毎日のように報道されていたことは記憶に新しい。狩猟に関して何の知識もない私は、ただただ怖いなという漠然とした不安を感じていた。ハンターの中にも様々な考え方を持った人がいる。そして経験で考え方は変わる。私の想像とは遥かに懸け離れた世界にいるハンターたち。極限の緊迫感から解き放たれる瞬間に、彼らは何を思うのか。この作品の冷静で淡々とした文章の運びが、逆にハンターたちの内に秘めた情熱や闘争心を際立たせ、孤独と葛藤、生きて帰れたことへの安堵まで、その心の機微を手に取るように伝えてくれる。2026/03/04
ポチ
49
命を奪うという事は生半可な覚悟では出来ない。葛藤や悩み、それらを乗り越えて前を向く姿に知らなかったハンターの矜持を知ることが出来た。読み終わるのが惜しいと思った作品でした。2026/03/09
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