じゃないほうの歌いかた

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じゃないほうの歌いかた

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  • サイズ 46判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163920061
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。

「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。
音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。
反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。
74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、
石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。
「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。

うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。

穂村弘さん――
「夢を諦めてはいけない、何者かにならなくてはいけない。
そんな声がずっと聞こえていた。
世界には自分しかいなかった。
でも、本書を読み進むうちに、呪いは薄れてゆきました。
そこは未知の世界でした。
自分のほかにも人間がいた。
何者かわからない住人たちに奇妙な親しみを覚えました」

柚木麻子さん――
「カラオケボックスでの出来事は、言語化されることは滅多にない。本作は、あの数々の奇跡をとらえ、ときほぐし、我々がなんでカラオケを愛するのかを、ささやく、のではなくハンドマイクで熱っぽく伝えてくれる」

佐伯ポインティさん――
「人生の憂鬱に抵抗するには、魂に叫ばせてあげるのが一番だ。
人生いろいろある登場人物たちがカラオケを通して、真っ直ぐ希望を歌うJ-POP歌手たちに元気をもらう姿は、受けた光を乱反射するミラーボールのように美しくて愉快!」

エピローグで明かされる、本書全体を通した仕掛けには思わず笑ってしまうこと間違いなしです。



【目次】

内容説明

独立系カラオケ店「BIG NECO」。S.ジョブズにも、矢沢永吉にもなれない凡人たちの人生賛歌!こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない。

著者等紹介

佐々木愛[ササキアイ]
1986年生まれ。秋田県出身。青山学院大学文学部卒。「ひどい句点」で、2016年オール讀物新人賞を受賞。2019年、同作を収録した『プルースト効果の実験と結果』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

63
【未来と書いて、わたしぃー!】カラオケ店を舞台に、E.YAZAWAの気配が濃厚な6つのお話。著者直筆の題字も含め、なんかイイなって。で、お千代さん最強です! 「矢沢じゃなくても」で、書けない作家は元妻を想いつつ、<言いたかったことが今さら少しわかった気がしていた。おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれが困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた嘘は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは、それでやっと生きていこうと、生きていけるかもしれないと、思うのだ>と――⇒2025/11/08

えんちゃん

56
佐々木愛さん4作目。やっぱり大好き。「BIG NECO」という小さなカラオケ店で、うっすら繋がる連作短編集。「主役」にはなれなくて「じゃない方」で生きている人たちを、切なさとユーモアでふんわりと包んでくれる。そしてそこにはいつも人間愛がある。お名前が愛さんだけにね。表紙裏の登場人物紹介もおもしろい。同じ人を好きになった男女の話と、青年と老人アルバイターふたりのお話がぐっときて、ほっこり泣きそうになった。2025/10/03

ぼっちゃん

45
【202512ダ・ヴィンチのプラチナ本】独立系カラオケ店に来る主役になれなず、悩みを抱える凡人たちの5編の物語。元俳優の主人公が夢をあきらめたおっさんと思われていないか悩む「君の知らないあの佐藤」。74歳のカラオケ店アルバイトの老人が、お客の歌う曲からお客を励まそうと”人生いろいろ”を歌う「石崎IS NOT DEAD」が良かったです。2025/11/06

さちこ

39
だんだん面白くなって心温まった。2025/12/06

sayuri

39
「池田の走馬灯はださい」「加賀はとっても頭がいい」「君の知らないあの佐藤」「石崎IS NOT DEAD」「矢沢じゃなくても」落合南長崎の独立系カラオケ店『BIG NECO』を舞台にした5話収録の連作短編集。登場人物はどこにでもいそうな市井の人々。他人から見れば些末な事でも、本人にとっては切実な悩みを抱えていたりする。みんな生きるのが上手じゃなくて、それでもちゃんと頑張っている。読みながら彼らへの愛おしさが募っていった。何者かになんてならなくていい。じゃないほうの一員として、彼らの未来を応援するしかない。 2025/11/08

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