サイレントシンガー

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サイレントシンガー

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  • サイズ 46判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163919911
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。

内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。

n-bunaさん(ヨルシカ)絶賛!
<おもちゃから流れる歌声、アシカショーのアシカの歌声、シンガーの為の仮歌、そして夕方に流れる家路。何者でもない、何処にもクレジットされることのない彼女の歌声は、決して聞く人を選ばない。それは誰もが何者かに成ろうとする今の社会において、本当は必要だった優しさなのかもしれない。>
 





【目次】

内容説明

沈黙が、そして消えゆくリリカの歌声が魂の慰めとなる。“アカシアの野辺”に生息する人々は―これは遙かな時間について綴った物語。

著者等紹介

小川洋子[オガワヨウコ]
1962年、岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

214
7月の第一作は、小川 洋子の6年ぶりの長篇小説、小川 洋子は、新作コンスタントに読んでいる作家です。本書は、声タレの生涯、小川 洋子ワールド全開でした。 手タレやスタントマン等、裏方の人生にも色々とドラマはあるんでしょうね。 私は、リリカという名前は可愛いと思いますし、声の美しい女性は好きです。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639199112025/07/01

パトラッシュ

196
能率と法規とSNSという言葉の網目に覆い尽くされた日本で、一切の言葉を拒絶する集団「アカシアの野辺」が存在し得るのか。成立事情や経済的基盤が明記されず、役所やマスコミも最低限しか干渉せず時間設定も曖昧になるとはリアルではなくファンタジー世界だ。そこで祖母の後を継いで働くリリカは、いわばあの世とこの世をつなぐ役割を担っている。半ば人ならざる身となりながら、言葉を捨てた人びとの声を引き受けたリリカは沈黙の歌声を現世に届け続ける。言葉の洪水が当たり前の社会は正しいのか、言葉を生業とする作家の問いかけが聞こえる。2025/09/14

ちょろこ

137
掬いが好き、の一冊。出会いも喪失も全てを小さな世界に閉じ込めた世界観は、どこか「ことり」を思わせる。アカシアの野辺で暮らす人々が愛するのは沈黙、十本の指を駆使した指言葉での静かな会話。そしてそこに住まうリリカが奏でる誰をもを包み込む歌声。限られた場所で、ささやかに慎ましく生きる人々も確かにいること。小さな幸せが確かにあること。それらをいつだって優しく掬い取る小川さんの描き方が好き。静けさの中からしか、不完全なものからしか伝わらない、得られない想いや優しさ。そこに嘘偽りはないこと…全てが静かに心に刻まれる。2025/08/19

hirokun

111
★3 小川洋子さんの作品を読むのは二作目の様だが、前回の作品についてはすっかり記憶から飛んでおり、この作品についても読メに参加していなければたぶん読んでいなかった。少しファンタジー感の漂う作風は彼女の持ち味なのか?現代社会に警鐘を鳴らすような表現も散見され、『魂を慰めるのは沈黙である』という言葉には強く共感できるものがあった。結果的には、最後まで読み終えて何か心の落ち着きを感じさせてくれる読書だった。2025/07/07

buchipanda3

110
沈黙、歌い手、題名の意味を求めて読み始めた。そこにあったのは、もの哀しさと共に過剰なものへの示唆に思えた。リリカは内気で沈黙を愛する人たちの中で育った。交流に使う指言葉は生活に必要なものに限られ、ゆっくりと相手に届くまで形を見せる。心の中の気持ちを伝えるのは饒舌ではない。互いの気持ちを汲み取る心だ。沈黙は今の時代、消極と見られる。でも装飾のない沈黙の会話は世に溢れる不自然に捻れた言葉を浮かび上がらせる。リリカはそれを感じ取り、あるがままに歌った。沈黙の豊かさと愛おしさを伝えるように、空気と溶け合うように。2025/08/05

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