日中外交秘録―垂秀夫駐中国大使の闘い

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日中外交秘録―垂秀夫駐中国大使の闘い

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  • サイズ A5判/ページ数 544p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163919874
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C0095

出版社内容情報

中国共産党内に裏人脈を張り巡らせ、機密情報を誰よりも早く入手し、理不尽な恫喝にも屈しない――異能の外交官が明かす秘話満載の外交秘録!

中国から「やられっぱなし」のように見える日本外交だが、けっしてそんなことはない。
2023年末に駐中国大使を退官した垂秀夫は、独自の人脈からもたらされる機密情報、たぐいまれな戦略眼、そして恫喝に屈しないタフな姿勢で、中国共産党から恐れられてきた。中国政府側から「スパイ」と名指しで批判され、危険な目に遭ったことも一度や二度ではない。
しかし、度重なる嫌がらせや障害をものともせず、要人たちとのバックチャンネルを構築し、重要な情報を入手し、独裁に抗う改革派知識人たちを支援してきた。また、中国の「戦狼外交」に対して一歩も引かず、逆に向こうをギャフンといわせてきた。
そんな垂秀夫が歩んできたチャイナスクール外交官としての道程を赤裸々に公開したのが本書である。

大阪下町育ちの垂秀夫は、京都大学に入学したものの、ラグビーと麻雀に明け暮れる自堕落な日々を送っていた。しかし外交官への憧れは捨てがたく、「良家の子息でなければ無理」と言われた外交官試験を猛勉強の末に突破する。
だが、入省当初は「端牌」(ハジパイ。価値の低い麻雀牌のこと)であった。仕事に意義を見出せず、悶々とする日々……。
ギリギリの判断で転職を思いとどまった彼は、「これからは好きなことだけやろう。会いたい人に会って話を聞こう」と開き直る。
すると、その姿勢が奏功する。彼は中南海(中国共産党中央)に深く食い込み、とんでもない極秘情報を取ってくるようになる。「垂情報」は一目置かれ、「チャイナスクールに垂あり」と言われるようになった。

本書の魅力は、エピソードの面白さだけではない、
垂秀夫は独自の視点から習近平体制の本質を分析し、中国に内在する「弱点」をあぶりだす。
そして、日本はどのように中国に対峙すべきなのか、大局的な戦略を示す。
また垂秀夫は、命を懸けて中国を変えようとしている改革派知識人への協力も惜しまない。そのせいで中国共産党から睨まれようとも動じない。それは「歴史に恥じない外交をしよう」「後世による『歴史の検証』に耐えうる仕事をしよう」という信念があるからである。
日本が中国と対峙するうえで数多くのヒントが含まれている傑作である。

内容説明

中国共産党・政府内に裏人脈を張り巡らせ、機密情報を誰よりも早く入手し、理不尽な恫喝にもけっして屈しない―異能の外交官「秘話満載」の外交秘録!令和7年 文藝春秋読者賞受賞。

目次

「中国が最も恐れる男」と呼ばれて
習近平時代を読み解く「三つの視座」
幻滅と端牌の若手時代
情報と人脈―「裏チャンネル」に真髄がある
香港・台湾~もう一つの中国問題
「戦略的互恵関係」の誕生~日中関係の再構築
尖閣危機―民主党政権下での葛藤
「戦略的臥薪嘗胆」というアプローチ―習近平体制過渡期の尖閣危機
民主化支援~中国の将来を考える
対中外交「大物政治家」たちの秘話
「台湾有事」本当の意味
駐中国大使、かく闘えり
歴史に恥じない外交を

著者等紹介

垂秀夫[タルミヒデオ]
1961年大阪府生まれ。大阪府立天王寺高校、京都大学法学部卒業。1985年、外務省に入省。中国語研修組(チャイナスクール)として、一貫して中国・台湾に関わってきた。在中国日本大使館書記官、在香港日本総領事館領事、財団法人交流協会台北事務所総務部長、アジア大洋州局中国・モンゴル課長、在中国日本国大使館公使、大臣官房総務課長、外務省領事局長、外務省大臣官房長などを歴任。独自の人脈からもたらされる極秘情報は、その正確性と速報性で一頭地を抜き、「垂情報」として高い評価を受けてきた。同時に、中国の恫喝に屈しない姿勢から「中国共産党が最も恐れる男」とも呼ばれた。2006年には日中戦略的互恵関係の構想を発案。2020年より駐中国日本国特命全権大使(第16代)に就任し、2023年12月退官。現在、立命館大学教授

城山英巳[シロヤマヒデミ]
1969年、三重県生まれ。93年に慶應義塾大学文学部卒業後、時事通信社入社。北京特派員を2回務め、中国現地取材は計10年に及ぶ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。2020年10月から北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。専門は現代中国研究、日中関係史、中国メディア論。『中国共産党「天皇工作」秘録』(文春新書)でアジア太平洋賞特別賞(2010年)。戦後日中関係史の調査報道などでボーン・上田記念国際記者賞(2013年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーくん

80
2023年、駐中国大使を最後に退官した垂水秀夫氏の回顧録。本省で中国課長や官房長を務めた他、台湾・香港勤務も経験。何かと中国に対し弱腰との批判・中傷もあるチャイナスクール(中国語研修組)出身だが若い頃から人脈を拡げることに努力、摩擦を恐れず中国側と対峙。強い使命感を持ち中国関係一筋の外交官人生を送られたようで、本書には日中間の生々しくも興味深いエピソードが綴られている。著者は現習近平体制を見るために、三つの視座を挙げている。①中国共産党統治の正統性 毛沢東は抗日戦勝利を。鄧小平(とそれ以降)は⇒ 2025/07/16

みんな本や雑誌が大好き!?

3
中国へのODAをめぐって、これも使いようで、共産党との人脈作りにも役立つ面があったとか、多少、外務省出身者ならではの自己正当化もあるかなと思ったりもしますが、「日中(中日)友好」といった中国側からの「手垢にまみれた言葉」を、スピーチなどで垂さんは使うことはなかったそうです。中国が「水を飲む時は井戸を掘った人のことを忘れない」と言うのも嘘だと決めつけています。若い時、同行した細川護煕首相の卑屈な中国訪問での発言などにも唖然として、外務省を辞めようかと思ったこともあったそうです。 国民必読の一冊です。2025/07/17

しびぞう

3
面白かった!中国に関する知識がほぼゼロでも面白く読めた。500頁超の中、注釈がついていたのがわずか一か所というのは驚異的だった。文中に出てくる人物や事物について、その説明がさりげなく本文に盛り込まれているのだ。どれだけの修羅場をくぐってきたらこういう文章を書けるようになってしまうのだろう。外務省の人が書く本は結構面白いと思って読んでいるが、群を抜いて面白かった。この人が築き上げてきたものを受け継ぐ人がいることを願いたい。面白い本があった、というだけのことで終わって欲しくない。2025/07/10

安土留之

3
日本と中国の架け橋たらん、しかし、中国に対してしっかり物申す、というスタンスの著者。釜ヶ崎で生まれ、京都大学を卒業した著者は、二世や東大卒が多い外交官の世界で異色の存在であり、最初は傍流を歩いていた。しかしながら、政府要人だけでなく、改革派知識人、人権派弁護士とも交流する著者の情報収集能力と的確な判断力を認められ、最後は駐中国大使を務めて退官する。   日中外交の内幕を描くだけでなく、著者がなにを考えながらさまざまな事案に対処してきたかが書かれており、垂秀夫という人間の生き様がいきいきと描かれている。 2025/06/19

THX-1138

1
まず、垂大使の自慢話的な部分は鼻につく、とは言え今の日本の対中外交に関して自身の経験も踏まえた示唆は凄いのひとことだ。 この行動力と外交そのものが国家なのであり、それを支えるのは外務省の職員であり「チャイナスクール」の一員でもあるとの印象を垂氏から受けるのだ。 昨今の「習近平"ひとり"体制」への危惧、つまりそれは中国国民に対するものも含むのだけれど。 そして尖閣諸島問題の起点は中国側の現場の解釈を中国共産党が後追いする形で生きているという事実も。 我々日本人は、この隣国と今後どう付き合って行けばいいのか。2025/07/06

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