出版社内容情報
累計240万部突破! 大人気和風ファンタジー「八咫烏」シリーズ最新作。
博陸侯雪斎が独裁を敷く〈山内〉で、
〈登殿の儀〉を経て皇后を選んだ金烏代・凪彦。
しかし二人の間に子が生まれる気配はない。
一方、谷間出身者たちの叛乱を生き延びた少年・トビは
北家の朝宅で博陸侯の母と出会い――。
博陸侯の治世を揺るがす「亡霊」の影。
終幕に向けて、時間が進み始める。
内容説明
「いつかきっと報いを受けるぞ、博陸侯」独裁者VS亡霊。「八咫烏」シリーズ激動の最新刊。
著者等紹介
阿部智里[アベチサト]
1991年、群馬県前橋市生まれ。早稲田大学文化構想学部在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で松本清張賞を史上最年少受賞。17年、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く壮大な異世界ファンタジー「八咫烏」シリーズは、外伝を含め本作で13冊目となる。24年「八咫烏」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひらちゃん
45
どこをどう決着つけるつもりなのか分かりません。独裁者博陸候は山内のために戦い働いてきたはずなのに。ここにきて家族間の話になるのか。すべてを失った雪哉と、真実の姿を見せつけてきた紫苑の宮。どちらを応援しながら読んでいいのかさっぱりです。やっと終焉が来るのでしょうか、この物語にも。まだまだ一波乱ありそうですね。2025/05/14
あっか
45
待望の最新刊。ううむ…博陸侯・雪斎(雪哉)の最終的な真の思惑?考え?が分からなくて何かを隠されている感じがずっとつきまとう(誰と誰が繋がってるの?とか)ためか、読んでも読んでも終始もどかしさを感じる!何なら澄生も何がしたいか分からない!笑 みんながみんな報われない(ように見える)まま、どんどん死んでしまうし…泣 多分雪哉は表に出さないまでも1番大切にしていた存在だろうになあ…完結に向けてのためか、夜明け前の1番暗い部分が全面に出た巻なのかなと感じた。救いが欲しい!次巻早めにお願いしますー!2025/04/06
pohcho
37
博陸候雪斎となりダースベーダー化した雪哉だったが、ここにきて少しずつ素の部分も垣間見えるようになり嬉しく思っていたら、終盤で衝撃的な展開に(デマから暴動が起こるのは現代でもありそう)「産ませるべきではなかった」というひどい言葉に「私もそう思います」って、あまりにもつらすぎるよ、雪哉・・(涙)。次回、とうとうシリーズ最終巻とのこと。一体どんな結末になるのか、しかと見届けたい。2025/05/27
えみちゃん
31
長らく読み続けているこのシリーズも終盤に近付いているようでこの怒涛の展開に翻弄され疲労困憊ぎみです。^^;💦最近の雪哉の変貌ぶりに大丈夫だろうかと心配してましたがまさかあんなことになろうとは・・朔王の後継として鵄(とび)の名を継いだトビは雪哉の義母・梓の元に預けられます。最初は手負いの野生動物のように毛を逆立てていましたが梓との根競べに負けて宮烏側からの見方を学んでいきます。騙すのではなく正しい情報を与えていたにも関わらずこんな嘘のようなボタンの掛け違いが起こるなどと誰が予想しえただろうか・・。幼い頃2025/04/04
りー
28
「正しさとは何か?」という問い。雪哉も、紫苑の宮も、主上も、谷合の人々や普通に生きる人々にも、そしておそらくは、はじめさんにも、それぞれの正義がある。自分の信じる正義のために、皆たくさんのものを犠牲にしたり、たくさんの臭いものに蓋をしたりしている。雪哉の危うさはこの物語の大きな鍵になっているが、読んでいて辛いものがある。彼の中に大切に仕舞われていた宝物がこの巻で壊され、彼はますます自分を倒してくれる者を待つようになるだろう。救いだったのは、澄尾さん家族。とっても癒されました。2025/03/30