よむよむかたる

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163918976
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

この小説は、著者の母が参加していた読書会の風景がきっかけで生まれました。
それはどんな読書会だったのか。執筆に際しての著者エッセイから一節をご紹介します。

 わたしは、この「ちいさな集まり」の一員になったときの母が、もともとの母であるような気がした。
 母親とか、五女とか、ドコソコの奥さんとかの役割をとっぱらった母というひとが出現したようだった。
 へんてこな言い方かもしれないが、そこでの母はたいそうフレッシュな老人だった。いきいきと目を輝かせ、みずみずしく笑っていた。
 これから始める小説で、わたしがまず書きたいのは、「ちいさな集まり」だ。そこでフレッシュな老人たちと少し疲れた若者が顔を合わせる。やがてどちらも「もともとのすがた」で語り合うようになるはずだ。

本を読み、人生を語る。人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。そんな幸福な時間をぎゅっと閉じ込めたい、という願いが込められた物語です。


〈あらすじ〉
小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。

店長の安田松生は、28歳。小説の新人賞を受賞し、本を一冊出したが、それ以降は小説を書けないでいる。昨年叔母の美智留から店の運営を引き継いだばかりだ。その「引き継ぎ」の一つに〈坂の途中で本を読む会〉のお世話も含まれる。何しろこの会は最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。安田は店長の責務として世話係だけをするつもりだったが、「小説家」であることを見込まれて、この会の一員となる。

安田は読書会に対しても斜に構えていた。二作目が書けない鬱屈がそうさせていたのかもしれない。しかし、読書会に参加し、自分でも老人たちと「語る」ことで心境に変化が訪れる――。

内容説明

小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会“坂の途中で本を読む会”のためだ。この会は最年長92歳、最年少78歳の超高齢読書サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡が一度だけで伝わることもない。この会は発足20年を迎え、記念誌を作ろうとするが、すんなりと事が進むはずもなく…。

著者等紹介

朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道小樽市生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞を、04年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。09年『田村はまだか』で第三〇回吉川英治文学新人賞を受賞。19年『平場の月』で第三二回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

165
小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」では、92歳~78歳の高齢者6名で構成される〈坂の途中で本を読む会〉という読書会が月一貸し切りで行なわれていた。そこに28歳の店長・やっくんが仲間入りし、発足20年を記念して記念誌に公開読書会を開催することに・・朝倉さんの新作はぬくもりと、現実の悲哀交々がじんわりと沁みてくる読書だった。このメンバー構成には多少無理があるなぁと思いつつ、繰り広げられる会話や間が腹立たしくも愛おしいのだ(クゥ)読了後「皆さんお達者で」と、声を掛けたくなった。2024/10/09

シナモン

107
高齢者だけの読書会「坂の途中で本を読む会」。さまざまな人生の経験をされてきた皆さんの言葉は面白おかしくも胸にグッとくるものがあった。元気な会員さんたちに読み始めはなかなか馴染めず、読むのやめようかなとも思ったけど、やめなくて良かった。こんな読書会、いいなぁ。 💘結論から言うと、キズやカケのない人はいないんだなあ、ということです。2024/10/21

buchipanda3

107
小樽で20年も続く、ある読書会の話。参加者達はみな高齢となるが、月に一度の楽しみ、生きがいとして今日も喫茶シトロンに集う。ほのぼのとした会かなと思ったらそこは朝倉さんだけにひとクセあり(ニヤリ)。いや、ほのぼのなのだ。でもそれは長く生きてきた彼ら彼女らが悲喜交々あらゆるものを呑み込んできて辿り着いた懐の深いほのぼのに思えた。安田やあの女性と同様に読み手も、我が儘で不適切な物言い、でも善良な姿に感化される。終を身近に感じて過ごす日々。そんな中、本を読み、人生を読み、自分自身を語り合った思い出は代え難いはず。2024/09/26

のぶ

101
こんな読書会があったらうらやましいと思った。「坂の途中で本を読む会」がそれで、78歳から92歳まで6人の男女が会員で、舞台は小樽の古民家喫茶店。月に一度の読書会をこの喫茶店で開いている。主人公は喫茶店で雇われ店主をしている安田松生。新人賞を受賞して単行本も出版されたものの、今は「自称小説家」でもある。これら登場人物が個性豊かに描かれていて面白い。元気に話してはいても、安田以外は全員が高齢者である。体調は悪くなり、感情のコントロールが効かなくなり、記憶は曖昧になっていく。にぎやかで寂しい読書会が素晴らしい。2024/10/08

fwhd8325

95
佐藤さとるさんの名前を見た時、とても懐かしい気持ちになりました。その作品は学校の図書館で読んだ記憶があります。この物語は、年齢を重ねていくと、この方々のようになるものとは思っているので、それはリアルティを強く感じるのですが、北海道の方言、賑やかな会話になかなかついて行けなく、集中できませんでした。2024/12/07

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