出版社内容情報
女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。
表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。
内容説明
ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団、宗教二世―難破寸前の日本という船を襲うトラブルに、今日もマコトは立ち向かう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
242
IWGPシリーズ完読プロジェクト、今回は最新刊XⅨ巻です。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11337296?sort=book_count&order=desc 今回も安定の面白さ、オススメは『大塚ウヰスキーバブル』&表題作『神の呪われた子』です。本書で「私生(させん)」 と言う言葉を憶えました。 全カルト宗教の宗教法人解除&一般宗教法人の法人税50%課税を求めます。 http://www.bunshun.co.jp/pick-up/iwgp/2023/09/21
ノンケ女医長
128
池袋ウエストゲートパークシリーズを追いかけてきて、やっぱり良かった。今作は、ひときわ展開が艶やか。登場人物が、とても生き生きと跳ね回っている。切羽詰まり、泣きながら助けを請う電話に、15分も付き合う心根の優しいマコト。正確に状況を分析し、必ず正しい結果を導き出すタカシ。この最強コンビの活躍に色を添えるお馴染の登場人物たちも、大きな安心感を与えている。なんと言っても、宗教二世が登場するタイトル章。着想のきっかけは、国葬にも至った例の事件か。行間から読み取れる、著者の高い道徳心に、感銘を受けた。2023/10/22
はにこ
115
今回も時事問題を物語に落とし込んでいてさすがの一言。特に表題の神の呪われた子は問題になっている宗教二世。私には残念ながら全く宗教心が無いけど、宗教が人の心を救うことはあるのかもしれない。しかし、それを家族含めて自分以外の人を苦しめる結果になってはいけない。ルカの勇気に拍手。タカシやマコトのような救いの手を差し伸べてくれる人がいてくれて良かった。また時事問題を引っ提げてこのシリーズが帰ってくるのを待ちたい。2023/11/18
☆よいこ
115
WIGP⑲そろそろローマ数字表記はやめようよ▽[大塚ウヰスキーバブル]今年の秋はページをめくるようにやってきた。隠れ家バーのおやじさんを助けるマコト。ディスティラリーのウイスキーが中国で8千万円[〈私生(させん)〉流出]今年の初冬はあたたかだった。アイドルの個人情報流出で芸能事務所から相談[フェイスタトゥーの男]暖冬のあとには、生ぬるい春がやってきた。高校の同級生が経営する古着屋のバイトは、強盗団の一味だった[神の呪われた子]東京の梅雨はしとしと長雨なんて調子ではもうなくなってしまった。宗教2世の少女2023/11/10
nonpono
109
部活絡みで足を運んだ西口芸術劇場、よくデートで飲みにきた池袋。土地勘のある小説は物語が展開しやすい。このシリーズも累計460万部。現実感あるが実は優しくスマートなマコトと池袋のキングもとに、相変わらず旬な事件が舞い込む。今回は、ウイスキーバブル、推し活、そして作者が一番、書きたかったように思える宗教二世問題。帯より「世界のほうこそ神様中毒になっている」。子供を利用した勧誘、わたしのバイト先や自宅にもいらした。飛び込み勧誘、あのときの何とも消化出来ない感情を思い出す。何かを信じるのは自由。信じないのも自由。2023/11/13