出版社内容情報
〈運びの掟〉
一つ、中身を見ぬこと。
二つ、相手を探らぬこと。
三つ、刻と所を違えぬこと。
約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。
母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。
自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。
腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、
荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。
一体何が起きているのか?
円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。
オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。
内容説明
その荷物、きっちり届けます。やり手の“運び屋”として江戸の街を駆け回る円十郎は、ある夜襲撃を受けるが、それは大きな災厄の始まりにすぎなかった―。
著者等紹介
三本雅彦[ミモトマサヒコ]
1990年生まれ。神奈川県鎌倉市出身。2017年「新芽」で第97回オール讀物新人賞を受賞。本作がデビュー単行本となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itica(アイコン変えました)
73
「運び屋」は依頼された荷を指定された場所に運ぶ稼業。誰から誰に渡るのか、何を運ぶのかを知らされることはない。 対極には、その荷を奪おうとする「引取り屋」がいる。互いに命を懸けた仕事は幕末の背景と相まって、張り詰めた空気を漂わせている。まるで忍びのような雰囲気であまり読んだことが無い内容だが、運び屋円十郎とその父、友人などとの人間関係も描かれていて面白かった。 2023/08/01
ゆのん
65
依頼主から荷を預かり指定の時間に指定の場所へ届ける運び屋。運びの掟は…一つ、中身を見ぬこと。二つ、相手を探らぬこと。三つ、刻と所を違えぬこと。息を呑む様なアクションから始まる物語はこれでもかと闘いシーンに溢れている。かと言って単なるアクション小説ではない。友との再会、淡い恋心、同志との繋がり、親の想いと子の想い、出会いと別れなどなど読みどころばかりの一冊だ。登場人物も魅力的な人達ばかり。特に誰もがその名を知る『あの2人』の人物描写にはワクワクさせられる。続きを期待させる終わり方に期待感が高まる。2023/06/21
シャコタンブルー
59
設定よし。キャラよし。テンポよし。内容よし。これがデビュー作とはまた凄い作家が現れたものだ。依頼された荷物を指定された場所に届ける運び屋。その荷物を狙う闇の刺客たちと円十郎が躰術で戦うが、その迫力満点の格闘シーンが見事だ。武術だけでなく友情、恋、父親への複雑な心境も織り交ぜ成長していく姿は逞しい。桜田門外ノ変を軸に風雲急を告げる時勢と沖田総司、土方歳三も登場するなど飽きさせない展開で一気読みの面白さだった。これは映画「トランスポーター」の江戸時代編だ(笑)。続編もありそうなので次作がとても楽しみだ。2023/07/08
Kurara
54
★3.5 初作家さん。世間には知られてはいけない「運び屋」稼業。運びの掟3か条を守り江戸を舞台に駆け抜ける親子。元締めや女中や「引取屋」との絡みもありながらも、裏稼業に徹している円十郎の物語。 #NetGalleyJP2023/08/21
Roko
31
円十郎の仕事は、特別な手紙や小さな荷物を預かり、指定された日時に指定された場所へ置いてくる仕事です。仕事の内容は松竹梅というランクがあって、最近は難易度が高い「松」の仕事も増えています。円十郎は、江戸の町を駆け抜ける忍びの者という、今までに出会ったことのないタイプの主人公です。様々なことに悩み、自分の想いを上手く言葉にできないところは、まだ20歳という若さのせいでしょうか。誰が敵か味方かわからない世界に生きるというのは、とてもつらいことですね。その中で頑張る円十郎に好感が持てます。#NetGallyJP2023/07/17
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