内容説明
時は平安。都では、応天門の変で罪を被せられた伴大納言が鬼の姿で現れ、疫病の種を撒き散らすと予言していた。陰陽師の弓削是雄は大納言の鬼と相まみえるが、その背後にさらに強大で邪悪な鬼が存在することに気づく。朝廷で実権を握る藤原氏に恨みを抱くというその鬼の正体は、やんごとなき方なのか―。是雄は鬼の正体を突き止め封じるために、仲間とともに蝦夷の地へと赴く。
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
1947年、岩手県生まれ。早稲田大学卒。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、86年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
170
高橋 克彦は、新作中心に読んでいる作家です。「鬼シリーズ」は、初読です。鬼魑魅魍魎が跋扈する平安時代、安倍晴明を凌ぐ陰陽師とのことですが、主人公 弓削是雄にはあまり魅力を感じませんでした。 https://books.bunshun.jp/articles/-/80672023/07/07
初美マリン
94
懐かしい淡麻呂と少彦名神の名前が出てきて鬼シリーズの続編だとわかった。北国での鬼との戦いでありながら友情と正義と歴史の童話のようだった2023/06/24
よこたん
46
“果たしたことが善であったと口にできるのは常に勝った側ばかり。そして後世にはその勝者の言葉だけが残される。” 歴史とはそういうものなのだろう。よって栄光の陰には、無念を訴える無数の魂魄がひしめいているのかと。浮遊するよく喋る髑髏の鬼、前に何かで読んだ気が、と調べてみれば何とシリーズものだった。帯か奥付あたりに書いてくれなきゃわからないよ。最初と最後を読んでしまったが、問題なし。でも、中抜けした分を知ればきっともっと面白いはず。表紙から鬼の大暴れを期待したが意外とあっさり。正体にはえーっ!となったけどね。2023/07/27
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「鬼シリーズ」第七巻。このシリーズの完結編が読むことが出来て、感無量です。弓削是雄とその仲間達が巨大な頭だけの噴怨鬼と闘うわけですが、その正体はいかにも高橋克彦氏らしかったです。(高橋氏の著書をかなり読んでいるので、想像つきました。)髑髏鬼がとっても良い味出していました。このシリーズのもう一人の主人公の加茂忠行の物語の続きは読めないんでしょうか?泥人形の脚、どうなったのか気になります。2023/07/27
ren5000
32
シリーズものだとは知らずに読んだけど問題なく読めた。鬼との壮絶な戦いがあると思ったけどなんか思ったのと違う結末だった。名前の読み方が難しく何回も読み直しちゃったよ。平安時代の話だけど公家どもの民草のことを考えない政治が今の時代と被るのはどういうことか。こんなことをしていると鬼が出るぞ。2024/01/20
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