出版社内容情報
安全保障の鉄則は「最悪のケース」を想定することだ。
ロシアのウクライナ侵攻前に、専門家の多くは、「ウクライナ全土への侵攻は、軍事的に見て、あまりにも無謀すぎる」と語っていた。
しかし、プーチンはウクライナ全土へ侵攻したではないか。
今、中国の台湾侵攻についても、「中国は台湾を無傷で手に入れたいはずだ。敢えて戦争は仕掛けないだろう」という言説が主流である。
本当にそうだろうか。
もし、中国の台湾侵攻が起きたとき、日本も戦場にならないとは言い切れない。「中国が日米を巻き込むはずがない」というのは、あくまで私たちの願望に過ぎない。
今や、起こらないはずの戦争が起こる時代なのだ。
習近平の中国がやって来たとき、日本に備えはあるのか。
内容説明
プーチンのウクライナ侵攻の次は、習近平の台湾だ。元米軍司令官が「6年以内」と指摘した極東有事。日本の準備は出来ているのか
目次
第1章 ウクライナ危機が示した新しい事実
第2章 ウクライナ危機はアジアの安保にどんな影響を与えたのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大泉宗一郎
8
ロシアによるウクライナ侵攻、台湾有事など、現在の日本を取り巻く安全保障を解説しながら、沖縄と日本の防衛の現状を、自衛官や米国・韓国の有識者らの取材を交え丁寧に解説したドキュメント。近年の情勢、それに対する防衛相の動向、そこから浮上する国課題を鑑みてもやはり明るい未来は望むべくもない様子。台湾有事の観点から沖縄の防衛強化を主張しつつ、住民への配慮を欠かしてはならないという自衛官や筆者の意見は、現実主義に基づく観点という点も含め好感が持てた。知識がないと読みづらいのが、一読に値する一冊で非常に勉強になった。2024/02/13
バルジ
3
良書。安全保障を得意とする著者のまさに面目躍如な1冊。記者として実際の現場を訪ねつつ専門家の議論を参照しながら「国民的議論」の重要さを説く。本書の特徴の1つは専門である朝鮮半島、殊に韓国の安保専門家の視点が要所要所に挟み込まれている点であろう。日本では台湾有事議論の際、朝鮮半島は影が薄いが、アメリカとの軍事同盟を結びつける強力な軍事力を保有する主要アクターの1つである。そんな韓国の視点は日米中心になりがちな台湾有事議論に違う視座を与える。また南西諸島の首長の言葉は悲痛。有事が現実にならないことを祈るばかり2023/10/09
takao
1
ふむ2024/11/09
ひにょ
1
やはり日本という国は軍事、つまりは自衛隊の強化や方針の策定に過度に敏感になっているような気がしてならない。あくまでも僕の意見としてではあるが、現在の日本を取り巻く情勢を考えたとき、憲法に正規軍の存在を明記し、その活動について明確に決めることができれば、より効率的な軍隊としての運用が出来るはずだ。 (文字数の関係で2つに渡ります)2024/04/14
Jun Masuno
1
タイトルに惹かれて読む ウクライナ侵攻から始まる、世界の動向の不安定さから十分に想定される事態 現状が詳らかになるにつれ、心配と不安しかなく けど目を瞑る訳にはいかない、大事な事柄で皆で議論すべき話題です2024/01/27