出版社内容情報
【紀伊國屋書店チャンネル】
「普通」の人生を謳歌していたはずの四人に訪れる、思いがけない転機。コロナ時代の「普通」に揺れる、ある四人の男女のリアル。
内容説明
幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く…はずだった。順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機―娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり…。(表題作「新しい星」)美しく、静謐に佇む8つの物語。気鋭が放つ、新たな代表作。
著者等紹介
彩瀬まる[アヤセマル]
1986年千葉県生まれ。上智大学文学部卒。2010年「花に眩む」で女による女のためのR‐18文学賞読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、18年同作で高校生直木賞受賞。19年『森があふれる』で織田作之助賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
621
彩瀬 まるは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。第166回直木賞候補3作目(3/5)です。大学合気道部OBOG男女四人今物語の佳作でした。他の読友さんも書かれていましたが、前回候補作の『くちなし』と比べると直木賞レベルではなく、『新しい星』というよりも『地球』のままです🌎王様のブランチBOOKコーナーの出演&直木賞ノミネートは、文藝春秋社への忖度かも知れません。直木賞予想、穴▲はスティです(笑) https://books.bunshun.jp/articles/-/6820?ud_book 2021/12/19
さてさて
593
突然に訪れる私たちの人生の岐路。この作品では、四人の主人公たちが、それぞれに悩み、苦しみ、そしてもがく中に、「新しい星」で生きていくそれぞれの姿を見ることができました。それぞれがそれぞれを見やる眼差しの優しさを感じるこの作品。”新しい星に突き落とされる人は、決して珍しくないはず。その星で奮闘することは、何も恥ずかしくない”、とおっしゃる彩瀬さんが描く未来へと続いていく道のりの先に人の再生を見るこの作品。彩瀬さんらしく日常を丁寧に紡いでいく筆致の中に、人が人を想う優しさを見る、素晴らしい作品だと思いました。2022/09/03
漆虎太郎
493
当たり前に続いてゆくと思われた日常が簡単に軌道を外れて壊れてしまう時、暗黒の海でもがくような、人はどうしようもなく孤独だ。今までと全く違う世界の日常を向かう先も判らず歩くのはほんとツラい。そんな登場人物たちが、友だちを想うささやかな気持ちの発露を機会に、静かに心の再生を図ってゆく様がとても優しくてステキだ。同じ帰り道なのに、まったく違った世界に感じられる、本作を読み終えて感じた想い、表紙に溶け込んでゆくようで、表紙の写真をずっと眺めていました。「新しい星」はきっと見つかる!2021/12/20
うっちー
423
身の回りに普通にありそうな題材を小説にしてくれました2022/01/21
tetsubun1000mg
415
先頃読んだ「かんむり」が面白かったので、近著の「新しい星」を選ぶ。 大学の合気道部の同級生の男女4人の仲間とのつながりが、卒業しても結婚、入院、死などいろんなことあっても顔を合わせると一瞬で当時の気持ちが蘇えり、いつまでも心の中に残り続ける事には共感できた。 これまで読んだ採瀬さんの本の中では一番面白くて好みのストーリーだった。 卒業して永く会ってなくても心が通じ合うのは素晴らしい事だし、最高の財産だなと改めて思わせてくれる小説でした。 昨年度下期の直木賞にノミネートされていた作品のようです。2022/12/27