内容説明
落としの天才vs殺人犯!数々の難事件を解決した“伝説の刑事”大峯泰廣。彼はいかにして犯罪者を追い詰めたか。息づまる「心理戦」を初めて明かす。
目次
序章 「疑惑」―ロスアンゼルス市ホテル内女性殺人未遂事件 1985
第1章 「KO」―首都圏連続ノックアウト強盗致死事件 1981
第2章 「警官」―宝石商強盗殺人事件 1984
第3章 「猥褻」―宮〓勤首都圏連続幼女誘拐殺人事件 1989
第4章 「強奪」―練馬社長宅三億円現金強奪事件 1990
第5章 「信仰」―オウム真理教地下鉄サリン事件 1995
第6章 「自演」―証券マン殺人・死体遺棄事件 1996
第7章 「遺体」―阿佐ヶ谷女性殺人死体遺棄事件・桧原村老女殺人事件 1997&1998
第8章 「迷宮」―世田谷一家四人殺人事件 2005
終章 「動機」―人はなぜ罪を犯すのか
著者等紹介
赤石晋一郎[アカイシシンイチロウ]
1970年生まれ。南アフリカ・ヨハネスブルグで育つ。「FRIDAY」、「週刊文春」記者を経て、2019年にジャーナリストとして独立。日韓関係、人物ルポ、政治・事件、スポーツなど幅広い分野で執筆を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
74
容疑者と取り調べる刑事の間には、絶対の敵対と不信しかない。まして殺人犯は死刑の可能性もあり、命がけで犯行を否認する。そんな相手を様々な手練手管を駆使して説得し「落とす」技術は、文字通り究極のコミュニケーション能力だ。昭和と平成を騒がせた大事件の容疑者をいかにして自供に追い込んだか、息づまる心理戦は下手な犯罪心理小説など足元にも及ばない迫力に満ちている。宮﨑勤の壊れ具合や純真な土谷正実の洗脳が解かれていく部分など、あの捜査にはこんな裏があったのかと思いながら読んだが、コミュ力の低さを自認する者には辛かった。2021/05/20
Sam
43
誰もが耳にしたことがある数々の事件(ロス疑惑、宮崎勤事件、地下鉄サリン事件や世田谷一家四人殺人事件など)を担当し、被疑者を「完落ち」させてきた「伝説の刑事」、大峯刑事を追ったノンフィクション。あまりに遠い世界の話ではあるが、被疑者の心に入り込み揺さぶっていくことで最後に「完落ち」させるプロセスはとても興味深かった(こういう刑事ばかりであれば冤罪は起きるはずもないのだが…)。一方で、DNA型鑑定の精度の飛躍的向上といった科学技術の進歩は、やがて大峯刑事のような特殊技能を不要なものとしていくのだろうか?2021/05/27
もりやまたけよし
36
書評にあった以上に面白かった。文章がちょっと読みづらかったが、そんなこと関係なく一気に読み進めました。小説より面白いノンフィクションなんて久し振りです。2021/09/25
おいしゃん
33
数多くの重大事件を陣頭指揮してきた刑事のドキュメント。そんな華やかなキャリアを持ちつつも、警察組織の限界を感じてあっさり退官してしまったのが驚き。会社もそうだが、いかに優秀な人材に見限られないか、真剣に考えないといけない。2021/12/15
ばんだねいっぺい
32
「ロス疑惑」から始まる有名な事件の羅列にすごいなと思った。本書では一部抜粋だが、実際の「完落ち」までには息詰まる攻防があったんだろうなぁ、仕事の後は、神経が疲れて、相当なストレスが溜まったんじゃないかと想像した。「傾聴の姿勢」の大事さをしみじみと感じた。2021/08/11