田舎のポルシェ

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  • サイズ 46判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163913551
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

実家の米を引き取るため大型台風が迫る中、強面ヤンキーの運転する軽トラで東京を目指す女性。波乱だらけの強行軍(『田舎のポルシェ』)。不本意な形で大企業勤務の肩書を失った二人の男性が意気投合、廃車寸前のボルボで北海道へ旅行することになったが―(『ボルボ』)。「憧れの歌手が歌った会場に立ちたい」。女性の願いを叶えるため、コロナで一変した日本をロケバスが走る(『ロケバスアリア』)。

著者等紹介

篠田節子[シノダセツコ]
1955年、東京都生まれ。東京学芸大学卒業後、八王子市役所に勤務。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞して作家生活に入る。97年『ゴサインタン―神の座―』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。20年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

456
3つの作品から構成。共通項は、まず、いずれも物語の核となるのが車であること。それぞれ、田舎のポルシェ(軽トラ)、ボルボ、ロケバスである。そして2つ目。いずれも互いによく知らないカップル(「ボルボ」はカップルとはいささか違うが)の物語であること。篠田節子は、こうしたシチュエーションで物語を組み立てて行く。方法的にも、おそらくは人物と車を設定し…というものであったと思われる。いずれも、すごく感動的だということはないが、それでも篠田の練達の業を十分に楽しむことができる。いつもながら上手い作家である。2024/08/13

starbro

390
篠田 節子は、新作中心に読んでいる作家です。自動車に纏わるロードノベル連作短編集、著者の巧さが光ります。オススメは、表題作『田舎のポルシェ』です。著者が軽トラに重量物を載せて、高速道路を実走していたとは思いませんでした(驚) 但し、軽トラをポルシェとは言ってはいけません。厳格な独逸のポルシェ社が激怒します(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639135512021/05/09

ウッディ

223
軽トラ、廃車寸前のボルボ、そしてロケバス、車にまつわる3つの短編集。見かけはおんぼろでも、人の人生とともに歩んできた車には沢山の思いが詰まり、密閉された空間の中で数々のドラマが生まれる。友人の車で妻の仕事先まで押しかけたり、クマに遭遇したりと、「ボルボ」は、色んな意味であり得ない話だったような気がしたが、「田舎のポルシェ」「ロケバスアリア」は、ロングドライブで会話する中で、心の距離が縮まっていく感じがよかった。車って、ただの移動する道具ではなく、思い出やドラマや夢を運んでくれていた事に気付かされた。2021/08/03

いつでも母さん

215
篠田さん、こういうのも書くのね!?が正直なところ。 頭を空っぽにして読んだ。うん❗️楽しかった。軽トラ·古いボルボ·ロケバスが好い味を醸す短編3話。特に冒頭のタイトル作は考えさせられた。我が家も軽トラックは重宝してるのでその走りに「がんばれ!」って思いながらの読書になった。気になったボルボの夫婦は、あれからどうなっただろう(汗)最後のロケバスのおかん·春江··この先の人生にエールを送りたい。 2021/05/08

モルク

205
3編の短編集。台風の来るなか、軽トラで東京から岐阜に米を運ぶという表題作。東京ではあるが地方より田舎の東京のとある地、いまだに家長制が色濃く残り女に学歴は不用という実家を高校卒業を機に出た主人公。彼女と軽トラを運転する紫のツナギの男性の距離感がいい。二作目の「ボルボ」が好き。廃車寸前の車で北海道を旅するリタイア男性二人。若いキャリアウーマン妻を熊から守るが、そのためにボルボは無惨な姿に…。妻を追いかける夫、感謝のない妻双方にイライラするも、小説の中に「羆嵐」と「シャトゥーン」が出てきてにんまりヾ(^^ヘ)2021/10/19

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