内容説明
交際相手に金品を貢がせ、練炭自殺に見せかけて殺害した牧村花音。平凡な容姿の彼女に、なぜ男たちは騙されたのか。友人を殺されたジャーナリスト・池尻淳之介は、真相を探るべく花音に近づくが…彼女の裁判は“花音劇場”と化し、傍聴に通う女性たちは「毒っ子倶楽部」を結成。花音は果たして、毒婦か?聖女か?裁判が辿り着く驚きの結末とは。「○○者」シリーズ6年ぶりの最新刊!
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
埼玉県出身。早稲田大学文学部卒業後JTBに入社、雑誌『旅』などの編集に携わる。1988年『五つの棺』(のち『七つの棺』として文庫化)でデビュー。同年『倒錯のロンド』で江戸川乱歩賞候補、95年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
216
久しぶりの折原さん。かなり久々の「○○者」シリーズの最新刊。ハイ!予想通り見事に翻弄されましたよ。第一部は我慢して堪えて読んだ。そもそも「毒っ子俱楽部」って怪しすぎ。イヤな奴ばかり…第二部になってもイヤな奴はやっぱりイヤな奴で…あれよあれよと作者の思うつぼなのだろうなぁ(汗)こんな家族が側にいたら嫌だなぁ。2021/02/01
KAZOO
118
久しぶりの折原さんのシリーズでしたが、最近あった事件を元にうまく構成されているなあと感じました。事件の犯人と思われる女性、裁判の傍聴をしている女性たち、取材をして事件記録を書いている男性などをうまく使いながら最後はやられたなあという感じを受けました。だまされてしまいます。2021/04/21
ゆみねこ
93
面白かったです!久々に折原さんを読みました。実際の事件を彷彿させるような被告人・牧村花音。親友を殺害され事件を明らかにするため花音に近づくノンフィクション作家・池尻淳之介。毎回裁判を傍聴する女性四人の毒っ子倶楽部。怪しげな人物は想像通りだったけど、最後まで読みきって大満足でした。2021/08/19
タイ子
92
交際していた男たちを次々に殺し、財産を奪っていった牧村花音。これって後妻業の話なのか?!そのテーマはもう古いぞ。彼女の裁判を傍聴して感想を述べあう4人の女性たち。そしてもう一人、親友を花音に殺されてその真相を暴くため彼女に近づくジャーナリストの男・池尻。裁判、喫茶店の会話、池尻のレポートが交互に繰り返されながら展開するストーリー。一体着地点はどこだ?何が言いたいんだ?と思われる長々しい話が続く。あー、そういうことだったんだ。すっかり騙された、と言うよりこの展開は面白いな。折原さん、翻弄されましたよ。2021/03/22
cinos
92
練炭で男性たちを殺した疑いで裁判にかけられる女性。裁判の傍聴者4人は「毒っ子倶楽部」というサークルを作ってジャーナリストの原稿を読みながら裁判の行方を追う。判決が肝ですが、あれよあれよの結末はさすが折原一さんです。2021/01/16