あの日、ジュバは戦場だった―自衛隊南スーダンPKO隊員の手記

電子版価格
¥1,500
  • 電子版あり

あの日、ジュバは戦場だった―自衛隊南スーダンPKO隊員の手記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163912660
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0095

内容説明

2016年7月8日。南スーダンの首都、ジュバで激しい衝突が起きた。国連の平和維持活動(PKO)が行われているさなかだった。著者は、個人ノートに克明な記録をとり始める。市ヶ谷では、戦闘を隠蔽する「日報問題」が起こり、2017年、陸上自衛隊は南スーダンから撤退。防衛相は辞任した。あの時、ジュバで、何があったのか?自衛隊は、なぜ、何のために、そこにいたのか?祖国を遠く離れ、危険と隣り合わせながら人知れず奮闘努力した全派遣隊員の心情を代弁する覚悟の手記。

目次

第1章 南スーダンへ(しんがり部隊の出国;南スーダンPKOの始まり ほか)
第2章 ジュバの長い4日間(「射撃音確認」ジュバ・クライシスの始まり;バングラデシュ工兵隊、PKO部隊による応射 ほか)
第3章 ジュバ・クライシス以降(軍司令官指示;政府軍の暴力 買い出しで狙われる女性 ほか)
第4章 指揮転移、帰国まで(稲田防衛相の南スーダン訪問;「ジュバは比較的、平穏」 ほか)
第5章 何のために命を懸けるか(突然の自衛隊PKO撤収;なぜ、日報を廃棄したことにしたのか ほか)

著者等紹介

小山修一[コヤマシュウイチ]
昭和39年、北海道生まれ。防衛大学校(機械工学)卒。指揮幕僚課程修了。平成元年、陸上自衛隊入隊。普通科部隊指揮官、空挺部隊指揮官、師団司令部(情報)、方面総監部(防衛)、中央即応集団司令部(防衛)、陸上幕僚監部(運用)、空挺教育隊(研究)、教育訓練研究本部(訓練評価)等において幕僚、研究員等として勤務。その間、平成7年阪神・淡路大震災(兵庫県)、平成23年福島原発原子力災害(福島県)の災害派遣、平成23年ソマリア沖海賊対処行動(ジブチ)に、それぞれ従事。平成28年6月から12月まで南スーダン派遣施設隊(10次)の隊本部勤務を命じられ、南スーダンPKOに派遣される。主に今後の陸上自衛隊の海外派遣活動のための教訓となる情報収集の任務に従事。首都ジュバ到着から約1カ月後の7月、市内で起きた激しい武力衝突、「ジュバ・クライシス」に遭遇した。令和元年、陸上自衛隊退官(1等陸佐)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

DEE

12
南スーダンでのPKOの活動中にジュバ・クライシスに巻き込まれた自衛隊。 その時の緊迫した状況とその後の自衛隊の活動や存在意義など、当事者の視点から書かれている。 戦闘地帯において、武器の使用は自衛のために限るという理屈は通らないよなと思う。 目の前で現地の民間人が銃で襲われていても何もできないという現実。 かと言って日本が軍隊を持つことにはやはり反対だし。 現場にもっと決定権があってもいいのではないかな。2021/03/21

suke

0
当時の2016年のジュバでの戦闘がリアルな視点で書かれている。自衛隊として、一般自民が武力勢力から暴力を受けているのを目の前にしたら、どうするか。紛争の当事者になるのを避け、ただ傍観するか。あるいは市民を守れば命は助けられるが紛争の当事者になりかねない。そして自衛隊、国を巻き込むこともあり、そうなればより多くの命が奪われることになり、大きな犠牲を払うこともある。命に優劣などなく平等だが、ここでは圧倒的に弱者の命が軽んじられている。そんなことあってはならない。そしてそんな悲劇的な決断をさせてはいけない。2023/09/21

ダックだ

0
現役時代の官位がどうであれ、幹部クラスの人間が語っているところに非常に意味があると思う。霞が関との温度差が如実にわかるし、「武器はあっても武器でなし」砲撃や襲撃に対して退避行動しかとれないというのであればそれは国際協力ではなく、単なるお荷物にすらなる可能性があるわけで、自己防衛すらできない装備とルールはもはや意味をなさないのが現場レベルで痛感できる。恨み節こそ書かないものの痛快なのは、政治問題化した日記が現場レベルでは問題にすらならないレベルのことであり現場を無視した政治闘争と一部勢力の勢力争いだとわかる2022/08/21

林浪浦

0
日報問題、戦闘地域か否かが問題となったPKOに参加した幹部自衛官の記録。ジャーナリストは日報の扱いばかりを取り上げるが、現場の状況、苦労が非常に読みやすい文体で書かれている。PKOは国益と必ずしも合致しない任務も多いため、「命の値段」が高くつく先進国は参加しない傾向にあるが、日本は南スーダンに派遣し、一定の評価を得ていた。しかし、危険になり、他国を置いて即撤収。カンボジアの頃と違い国民の関心も低いPKOに、日本人として今後どう向き合うのか、この書を一読して是非とも考えて貰いたい。

わしココ

0
南スーダンPKOに行った方の手記。現場の自衛隊員は、政治の思惑によって、PKOの目的である文民保護もままならない。憲法議論も含めて、政治にはしっかり議論してもらいたい。過酷な任務を続ける自衛隊員に感謝。2021/02/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16604327
  • ご注意事項

最近チェックした商品