出版社内容情報
総理夫人らの関与を消すため行われた公文書改ざん。懊悩の末に死を選んだ近畿財務局職員の妻と事件を追う記者が問いかける真相。
内容説明
本書は、夫を理不尽に失った赤木雅子さんが国などを提訴、俊夫さんの手記の公開に至るまでの怒り、迷い、葛藤を率直に綴つた「手記」と、事件を発覚当初から追い続けてきたジャーナリスト・相澤冬樹氏による「同時進行ドキュメント」で構成されている。
目次
赤木雅子・相澤冬樹(トッちゃんの本を出すわけ)
赤木雅子(トッちゃんが遺した「手記」;トッちゃんと私 ほか)
相澤冬樹(一通のメールが事態を動かした;親しくなったり反発したり ほか)
相澤冬樹・赤木雅子(あの頃のトッちゃんに言ってあげたいこと)
赤木俊夫さんが遺した「手記」全文
著者等紹介
赤木雅子[アカギマサコ]
1971年、岡山県生まれ。1989年、地元の高校を卒業し、地元で就職。1995年、24歳のとき赤木俊夫さんと結婚。2018年、夫、俊夫さんが命を絶つ。2020年、俊夫さんの死を巡り国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こす。同年7月15日に初弁論
相澤冬樹[アイザワフユキ]
1962年、宮崎県生まれ。1987年、NHKに入り記者に。阪神・淡路大震災、福知山線脱線事故など取材。森友問題取材中の2018年、記者を外されNHKを退職。大阪日日新聞に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
永野芽郁と田中圭を足して2で割った寺
84
Netflixで、よくも悪くも話題のドラマ『新聞記者』を観た。そしてビッグコミックスピリッツで連載開始した赤木雅子さんが主人公の漫画も読み始めた。自ずと関心が高まり本書を読んだ。驚いた。ドラマより現実の方がひどいのだ。そして本書の著者の一人、相澤さんの雅子さんへの態度は対人職である私には本当に参考になった。俊夫さんの自死後の雅子さんの気持ちの乱れはさもありなん、当然である。その雅子さんの揺れ動きに逆らわず、いくらでも待つ相澤さん。私は、友人や家族にも相澤さんのようにありたいと思う。赤木俊夫さんを忘れない。2022/02/04
kinkin
77
森友問題で、上司から命じられ資料の改竄を行うも、その後心を病み自殺した赤木さん。彼の妻が夫の遺書に書かれたことを報いるため、夫の知人、上司、記者と話し合う。驚くのは信じていた上司が上を見て仕事をしていたことだ。あの頃国会で取り沙汰された森友問題だが、国側に加担していた人物たちはその後、皆出世したという。その後相変わらず不正問題は出続けるも結局は不起訴。裏金問題もどこ吹く風、政権争い・・・改竄や捏造、裏切りなんでもあり。そして事実を正しく伝えないマスコミ。この負のループは永遠に続くのだろうか。図書館本2024/09/01
楽駿
39
読書会仲間本。森友学園問題の陰で、正しいがゆえに自死に追い詰められていった赤木さん。公務員の上司の命令には絶対なところは、昔から変わらない弊害。そして、それを指示した人は、出世街道まっしぐらで、強引にやらされた人は、心を壊しても、知らぬふりをされる。最後に掲載されている遺書こそが、そのタイトル通りに真実。本当に人間不信になりそうお話が、真実を裏付ける。これは、きちんと読んでほしいな。せめて、遺書だけでも。安部氏の退陣で、真実を語る人が増えることを祈っている。今こそ、きちんと罪に問うように。2020/09/05
みつにゃん
37
森友学園文書改竄事件によって自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻 雅子さんの心の叫びが伝わる。何故改竄しなければならなかったのか、ただその真実が知りたいだけ。それは私達国民も同じ思い。3月に週刊文春に赤木俊夫さんの遺書と手記が全文公開されたのを機に再調査も求めたが、国は検察の捜査で結果が出ているとして再調査はしないとしている。奥さまの言う通り、第三者機関で公正な再調査をしてほしいと思う。本の発売と同時に裁判も始まった。関わった人が『忖度』なしで全て正直に話し、真実が明らかになってほしいと心から願う。2020/07/16
tomi
28
刊行は2020年7月。森友事件に関わる公文書の改竄をさせられたために苦しみ自死した赤木俊夫氏の妻と、事件を追及したため上層部から圧力をかけられてNHKを退職したジャーナリストとの共著。本当に酷い話です。公務員の職に誇りを持って真面目に努めていた赤木氏が自殺に追い込まれ、改竄に関わった連中は無罪放免どころか皆出世しているという事実。そして元凶の〈悪代官〉安倍氏夫妻。裁判の行方を注視したい。2022/10/03