出版社内容情報
銀色ロケットの遊具、妖しいネオン、白い鳩の羽、水浴びするワニ。はじめて見る場所なのに、ちょっとだけ懐かしい。カラー写真多数
内容説明
今、私はあの世から、この世に戻って来たところだ。―知らない町を歩いていると、ふいに、そう思うことがある。銀色ロケットの遊具、雑居ビルの体内巡り、水浴びするワニ。はじめて見る場所なのに、ちょっとだけ懐かしい。ポップな色彩はじけるフォト&エッセイ集。
著者等紹介
武田花[タケダハナ]
1951年東京生まれ。90年『眠そうな町』で木村伊兵衛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もりくに
48
武田花さんの「写文集」が好きだ。間違ってもピカピカで、生き生きしたショットはない。「私って、いつも同じだ」とふいに自分に飽きた花さんは、「ふて寝」した後、決めた。「カラー写真をやってみよう」。狙うショットは「はじめて見る場所なのに、ちょっとだけ懐かしい」場所。例えば、廃業した旅館の目立つ温泉街の「路地」、そして隣接する「歓楽街」、もちろん寂れている。時が止まった廃墟の前で、とても元気な植物群。今回、猫は写っておらず、「くまちゃーん、元気でシンデマスかあ」と亡き愛猫に。死んだような景色にウイットある文章。2021/03/12
mick
1
写真とエッセイがつながっているようで、つながってないようで、昭和?案外未来?怖いのかおかしいのか。モグラに噛みつかれてあんまり痛いから泣いていたら、モグラに噛まれるなんて、ハナコは馬鹿なんじゃないか、と父が言った話がおもしろくて思い出し笑いしそうだ。2022/09/03